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激愛  作者: Lavia
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さまよう心 十話

彼の温かさに生命の力をもらった気がした。




「俺の胸の中で…何人もの幼い命が幕を下ろしたんだ。

生きたい…生きたい…

その想いが俺のここにたくさんの

力になってくれている。

恵美もきっとその力を感じてくれていると思う……。」



  だから…生命の力を感じているんだ……。



しばらくその見えない力に包まれて

いつまでもこの胸の中にいたいけれど……



「同情なら…これが最後にして……」



  憎たらしいこと言ってる



もうこれ以上 私にかかわらないように・・・・・




静かになごりおしい温かい胸から顔を離した。




「あなたがいなくなった日で私の恋は終わってる…。

新しい恋もしたし…

だから……これ以上私を混乱させないで……。」



彼の目が見れなかった。




「恵美……生きてるって素敵なことだよ。

恵美の目が絶望してたから……

俺のここの力で元気にしたかった……

きっとこの力がおまえを立ちなおさせてくれる…」




  彼にとっての私はいつまでも

  白いうさぎなんだよね



改めて自分の位置を確認した。



「うん…ありがとう

もう大丈夫だから…安心して……。

また外国に戻るんでしょう?」




「うん…もう少しここでいろんな活動をして

戻るつもりだよ・・・・。」




「そっか・・・・。

先生・・・輝いてるね……。

よかったよ………。」




「ありがとう・・・・・。

今 すごく充実してるんだ。

あっちでは…ひどい状況だけれど……

でも誰かに必要とされているってことが

俺を変えてくれてるのかもしれない……。」



  私だって必要としてたけどね

 


私にはあなたが…生きる源だよ……

多分このまま 生きていくとしたら

きっと…



「もう大丈夫・・・・・。

私と先生はもう住むところも違うんだもん…

お互いそれぞれの…ところに戻ってくだけだよね、」




「大丈夫か?」

彼が心配そうに聞いた。



彼が心配してくれるだけでも……

幸せだと思おう……。



「うん……。ありがとう……。」




看護師が顔を出した。



「消灯ですよ。」




彼が慌てて


「はい 今帰ります。」と言った。




  帰らないで・・・・・



  もう二度と来ないで・・・・



私の心が分裂している。




「じゃあ・・・・帰るな・・・・。」





私は布団をかぶった。



「さよなら・・・・。」




きっと彼が帰ったら 私は泣くだろう・・・・。




こんなに切なさが残るなら・・・

会わなければよかった・・・・・。



幸せを感じた後の地獄が怖かった。




私は朝まで泣いた・・・・・・。

抱きしめられた幸せは……彼がいなくなると

切ない思い出に変わった……。




生きる力はまた・・・・絶望感に変わっていく・・・・・。





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