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激愛  作者: Lavia
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灰色の空 三話

ひさしぶりに卒業式の練習のために登校した。


もうこの制服を着るのが数回なんだと思うと

三年間の愛着がこみあげた。


入学式の日

彼と再会して私は運命のように恋に落ち

彼と甘い時間を過ごして

そして真実を知って 


その恋は悲しく切ない恋に変わっていった。



彼を知れば知るほど私の愛は燃えて・・・・・・


彼を愛せば愛すほど

自分の無力さに傷ついてゆく




きっと私は彼を愛するだけのために生まれて

彼を救うために生きている


そんな気がした。



この風景から彼を失って

私は生きる意味を失くしてしまった。



彼がいない人生は私にとっては輝きを忘れた原石にしかすぎず

偽りの輝きを求めて



目をつぶると彼に抱かれている錯覚を覚えた・・・・・。



進はそんな私に気がついて

自分の名前を呼ばせ続けた。



「俺のこと好きになるなよ。」そう言いながら

私を支配したい進の勝手さも

私の心が冷えていればそれはそれで可愛いと思えた。



進の中で私の存在は


好きになられてはウザイけど

好きになってほしい


そんな存在なような気がする。



  ここに愛がある?



ときかれれば・・・・



私自身が進を求めている意味は愛ではなく



愛の代用なんだと思う。



「お互いに都合のいい存在」私はそう答える。



ただ男と違い女の体は複雑だった。



私を抱く時 絶対に避妊をしない進に 妊娠に怯える私

そのしばりつけられる感情が情けなくなった。




避妊をしないこだわりは

私を所有物として進が見ていることを意味した。




病院の先生に勧められてピルを飲み始めて

自分の体は自分で守るしかないと教えられた。



そんなめまぐるしく自分が変わっていった三年間だった。



これからも私はもっと灰色の空の下で生きていくんだろう・・・・


愛のない出会いを繰り返して

失望と絶望に脱落していくんだよ・・・



どうせ彼にもう二度と会えないなら・・・

彼以外の人を愛したくないから



灰色の空で生きていく方がお似合いだと思う。




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