三話
男の人の家に行くなんて…ママが知ったら卒倒するよ…。
でも彼は先生だし・・・おかしなことにはならないだろうし
何より行きたい自分がいるから・・・・・。
沈黙の車の中
胸だけがドキドキと音を立てて
ボーカルの甘くかすれた声が一層私の恋を盛り上げる。
しばらくして車が止まって
ガレージーが自動的に上がった。
そして車は静かにガレージの中
「ついたよ。」
彼の声に慌てて車から降りた。
「こっち・・・」
私は彼の背中をガン見しながら…禁断の館に足を踏み入れた。
階段を登ると彼がまたドアを開けた。
「どうぞ。」
私は緊張でコチンコチンになっていた。
思わず玄関のマットに足をひっかけて
前のめりに転びそうになった。
「キャッ!!!」 でも力強い腕の中に 抱きつくように受け止められた。
「おっちょこちょいはチャームポイントじゃなくて
欠点なんだぞ・・・。ケガでもしたらどうするんだ?」
スーツの胸に抱かれて私はまた あのいい匂いに包まれた。
「先生……私……どうしちゃったんだろう…
こんな気持ち初めてで…軽い子だって
軽蔑されたら悲しいけど…ちゃんとわかってほしくて……
あの…えっと…
あ…私何が言いたいかっていうと…」
頭がパニくっている。
「わかってるよ。俺を好きなんだろ?」
彼の甘い声が笑ってる。
「はい…。一目ぼれです。
どうしちゃったんだろ……私……。」
「俺とこうなるのはきっと きみの運命だよ。」
私は静かに顔をあげた。
彼の顔がこんなに間近にあって めっちゃ緊張してる。
「運命ですか?」 その言葉に胸をうたれる。
彼はニッコリと笑う。
「運命……じゃあ 先生も運命なら
先生は私だけを愛してくれますか?」
額に冷たい唇が触れた。
「うん…。きみだけしか愛さないよ……。
もう絶対に離さないから……。」
甘い言葉に私は気を失いそうになった。
「だから…これは二人だけの秘密だよ。
きっと誰かに知られれば 間違いなく引き離される…。
外に出たら 先生と生徒
それ以上の関係は無 だけど二人っきりの時は
こうしていつも一緒にいよう……
きみも俺のことを失いたくなければ…わかってるよね?」
「はい!!!わかってます!!!」
まさかの展開に動揺しながらも 恋が実ったことには変わりがない。
禁断の恋・・・・・
誰にも秘密の二人の恋………
「好きです・・・・。」 私はドキドキしながらまっすぐ彼を見上げた。
「やっと・・・やっと見つけてくれた……。」
彼はそう言うと 私の唇に優しく唇を重ねた。
見つけてくれた?
ふとひっかかったけど…でも幸せすぎてその言葉は
すぐに吹っ飛んで行った。
ファーストキスは
私は彼に支えられなければ 立てないくらい 甘くて…激しいキスだった。