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激愛  作者: Lavia
139/190

傷ついても愛 九話

しばらくシャッターの中で座っていた。

彼のバイクを撫ぜながら 彼の腰に手をまわして走った

あの夜を思い出す。



「どこ行ったんだろ……。」



「誰と一緒なんだろ……。」



考えるだけで胸が苦しくなる。


その時シャッターが開いて光がさした。




「う…うわ…誰?」彼が声をあげた。




「先生……。」彼の後から射す朝日が眩しかった。




「恵美?」彼が車庫のなかに入ってきて私の前に立った。




「痛かったか?」

私の顔を覗き込んだ。

ドキドキして…私は胸をおさえた。




「あたりどこが悪かったんだよ・・・・・。」




「ごめんな…俺のことだろ…?」



「学校に行くなって言うから…」




彼の顔が近すぎてドキドキした。




この間のこともあるし…

私はあまりに積極的だったから少し恥ずかしかった。



  彼は覚えてないのかな……




「うちの親の妨害になんか負けないでね。

私は大丈夫だし・・・

絶対負けないもん……」




「強いな……。」




彼は悲しそうに私を見つめた。




「俺のことで・・・あんまり頑張るなよ。」




「どうして?先生以外のことで私は頑張りたくないから。」




「困った奴だな。」




「お手伝いさんから聞いたの。

私の初恋は…先生だったんだって…

おねえちゃんにやきもちやいてたって言ってた。

やっぱりそうだと思ったんだ。」




彼は笑った。



「それは光栄だ……。うさぎちゃんはめっちゃ

可愛かったから・・・・・。」



「なんか嬉しくて・・・小さい私もやっぱり

先生が好きだったんだね……。」




今日は彼が優しく笑ってくれる気がした。



「そっか~」




このままその胸に飛び込んでもいい?

そんな優しい顔されたら 甘えたくなるよ……。




私がそんな気持ちと戦っているなんて

きっと彼は知らない………。




「恵美…そろそろ時間だぞ。」




「あ…ほんとだ……。先生は?」




「俺は車があるし…それに着替えないと……」




「どこかに泊まってたの?」

その質問の答えが怖かった。




「うん……。」それ以上は答えなかったから私もその質問はやめた。





「じゃあ…行くね……。」後ろ髪を引かれる思いだった。




「うん…。」彼が言った。





「学校で会おうね。」ふり向いて私は言った。





「気をつけていきなさい。

それからあんまり…戦わなくていいぞ。

無理するなよ。」





「私は先生のためなら 戦うもん。

わたしにとって先生は…運命の人だから……。

おねえちゃんが先生にとって運命の人のように・・・・

だから私が先生を守るから……。」




そう言うとまた悲しそうな顔をした。



そんなに悲しそうな顔しないで……。



私はあなたがいれば強くなれるんだから……。





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