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激愛  作者: Lavia
137/190

傷ついても愛 六話

「帰ります。理事長それではよろしく。」



母は乱暴に私の手を引っ張った。



「痛い~」

父が私にぴったりとついて

私は振り向くのが精一杯だった。




「先生!!絶対にやめないで!!

大丈夫だから私がなんとかするから……

ここにいて…おねえちゃんの過ごしたこの学校で

ずっと先生してて……」




私は叫んだ。



「来なさい!!」


彼は茫然としていた。



「負けないで!!!もうこんなくだらないことに

負けないで!!!」




彼の姿が視界から消えた。




それから私は一言も口を返さなかった。

母は恥をかいたと私を罵りまくったけど

もう彼から両親を離したことで 私は力尽きていた。




「病院・・・・・」父が言ったが



「殴ったなんて言ったら大恥かくわよ。

腫れてるだけだし冷やしてたらじきに治るわよ。」


母はそう言うとまたグチグチと文句を言い始めた。



家に戻ると私は 部屋に引きこもった。



時折 様子を見にお手伝いさんが上がってきたけど


私はずっとベットの中で彼のことばかり考えている。




「お嬢様…お食事は?」

いつもより長い時間いるお手伝いさんに



「あれ?まだいたの?」思わず声をかけた。




「今日から残業ですよ。」お手伝いさんの声に思わず出て行った。




「私を見張ってんの?」




「今夜からは奥さまは先に戻ってくるので

それまで残業ですよ~」と笑った。



長くいるお手伝いの 初音さんは私におにぎりをくれた。



「千夏おじょうさまにも こうしてこっそり

おにぎり渡しました・・・・思いだしましたよ。」




「おねえちゃんも?」




「ええ~よくこうしてストを起こして困らせてたから……

でも私には素直に接してくれました。

おにぎりの差し入れをして 千夏おじょうさまのノロケ話を聞いて。」




「恋人の?」



「反対されてたから…でも私にはとてもよい子に

思えましたけどね おじょうさまがあまりに幸せそうにお話してくれるから。」




「そうなんだ。

そんなに幸せそうだった?」



「はい…とっても……。

お亡くなりになられても私は…きっとおじょうさまは

最高に幸せな人生だったって思ってましたから……きっと

今も笑顔で可愛い子供と一緒に見守ってるような気がしていますよ。

あの彼も今はどうしているのか……。

そうそう…恵美おじょうさまは覚えてるかしら……

私に『大きくなったら こんたと結婚する』って教えてくれたんですよ。

私が『おねえさまの恋人ですよ』って言ったら

泣いてしまって……きっとおじょうさまは小さくても恋してたんでしょうね。」




  やっぱりだ……



「今の彼にあっても私はやっぱり恋すると思う?」




初音さんはニッコリ笑って



「だったら素敵ですね~

千夏おじょうさまも小さな恋心に気づいていて

苦笑いしてましたからね……。

めぐなら…いっか~って~~~。」




初音さんの告白に心が熱くなった。



「他に私 何か言ってた?」


初音さんは ニッコリ微笑んだ。

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