傷ついても愛 三話
朝 母が
「今日から学校に行かなくていいから。」と言った。
「は?」制服姿の私はその言葉に驚いた。
「今日からしばらく学校休みなさい。」父の声
「何で?学校ってずる休みしていいものなの?」
「あの男のいる学校には通わせられないから
これからは家庭教師でもやとうから家で勉強しなさい。」
母が私に背を向けた。
「友達にも会えないの?何で?」
「理事長には話してきたからあの男を解雇しなければ
学校への寄付もやめるって
あの男が解雇されてから学校に行きなさい。」
私の頭に血がのぼった。
「何言ってんの?どうしてそうやってきたないことするの?
人の人生めちゃくちゃにする権利あんたたちにあるの?
会社経営してっからってそんなにすごいことなの?
人間としてサイテーじゃん!!!」
今度は父の手が頬をうった。
「おまえいつから…そんな口聞くようになった?」
私は頬をおさえて
「あんたたちが私にかまわないからわかんなかったのよ。」
そう言うと
「何!!!誰に向かって口を聞いてんだ!!」
父にもう一発殴られて 廊下にひっくり返った。
「暴力使えばいいと思って・・・
私はそんなことには絶対に負けないから……
これ以上私を追い詰めるなら 死ぬから
おねえちゃんみたいに死んでやるから………
親を恨みながらおねえちゃんと
天国で暮らしてくわ。」
カバンを持って外に飛び出した。
「待ちなさい!!!」父が追ってきたけど
私の方が早いに決まってる。
すれ違う人が私を見ていた。
それでも私は走った。
彼がいる学校に向かって
撃たれた頬がジンジンして
目も痛かった。
口に血の味がして手でふくと
鼻血が出ていた。
これだもん人に注目されるわ
両親に殴られた記憶がなかった。
だっていつもいい子でいたから・・・・・
パパとママに嫌われないように いい子のふりをしてきた。
「めぐ!!」声がして振り返ったら
学が走ってきた。
「おまえ・・・・ちょっと・・・・」
「おはよう」
「おはようじゃねーよ。
学はポケットからハンドタオルを出して私の鼻にあてた
「いいよ汚れるよ」私が慌てると学は
「いいから・・・それに…目腫れてるぞ。
ヤバイ顔してる・・・・・。」
「朝から親と喧嘩したの。
だいぶひどい?」不安になった。
「ひどいよ・・・・。学校行ったら保健室行って
冷やしてもらえ。それにしてもひどいな・・・・・
おまえ女の子なのに この顔はないよ。」
学はそう言うと私の頭を優しくなぜた。
「あはは・・・大丈夫よ
私は強いんだよ。」そう…彼がいれば私は闘えるもん・・・・・・