傷ついても愛 ニ話
家に戻ると 車が置いてあった。
「うわ・・・最悪じゃん・・・」私はつぶやいた。
志摩ちゃんに電話をした。
「どしたの?こんな時間に・・・・?」
「あのねお願いがあるの…。今日私と一緒だったってことにして
志摩ちゃんの家にいたって私の愚痴を聞いてくれてたって……
ごめんね…こんなことたのめんの志摩ちゃんしかいなくて」
「うん…それはいいけど…
めぐ・・・大丈夫?」
「心配かけてごめんね。親うざいんだもん・・・・。
電話かけたら話合わせておいてね。」
そう言って電話を切って 深呼吸してドアを開けた。
そのまま階段を上がろうとしてると
「まちなさい!!!どこにいってたの!?」
母が出てきてあとから父も出てきた。
「家にいるって言ったわよね。いつからそんな嘘まで付くようになったの?」
「嘘?嘘ならおねえちゃんは何百回もついてたでしょ?
なんで私だけそんなこと言われるの?」
「千夏のこと言ってんじゃないわよ。
それに千夏はもういないのよ 何を比べてるの?」
「いない?
比べてんのはそっちでしょうが?
いないならいつまでも部屋をそのままにするな。
おねえちゃんに私を重ねるな!!!
迷惑なんだわ。千夏千夏って・・・・私のことなんかどーだっていいんでしょ
どこ行ってたって関係ないでしょ?
やめてよ…急に心配すんのも私を思い出すのも…」
また頬に痛みが走った。
「こそこそとあの男に吹き込まれたんでしょ?
まさか恵美の近くにいるなんて・・・またあいつ
何をするかわからない…って
まさかあなた…あの男とどうにかなってないでしょうね!?」
母がいきなりパニック状態に陥った。
「別に・・・・」私が言うと
肩をつかまえ狂ったように揺すった。
「やめてよ・・・・・」
「恵美?大丈夫よね?ママたちを裏切ってないわよね?」
「そんなこと答えてくもない。」
私は突き放すように母から離れて階段を駆けあがった。
「恵美?大丈夫よね?まさか・・・そんなことに
なってないわよね?
でもあの男なら…パパ!!やりかねないわ。」
母の半狂乱の声を聞きながら
部屋で音楽を大音量でかけた。
聞きたくない
彼のこと悪くいうのは 耐えられない・・・・・
私は大音量の中で耳をふさいだ。
「私は彼を愛してるわ。」
その声だけが私に響き渡る。