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激愛  作者: Lavia
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愛するという事 十話

教室に戻ると学が近づいてきた。



「ごめん…俺のせいで…大丈夫か?」

責任を感じて神妙な顔つきだった。




まだ濡れた髪の毛が バケツの水だったこともあって

屈辱的だったけど

それ以上に私にとっては

彼が親に見つかってしまったことの方が

今は大きかった。




「学のせいじゃないよ……。

自分もちょっとイライラしてたから……

ストレス発散してやりすぎたの……。」




教室に残っていた数人がそのやりとりを見守っていた。




あきらかに泣いた後の私にきっと

さらに罪悪感で学は困った顔をしてた。



「送るよ・・・・・。」学がいった。




私は首を振った。



「ありがと……。でも……ちょっと怖いからやめとく……。」





「俺が……そういうものから守るから……

俺はめぐにずっと恋してたんだ。せっかく距離が縮まったって

それなのに俺のせいで…こんなことされて……

なんて言ったらいいのか……。」




「気にしないで…今日はたまたま学のことでおおごとになったけど

違うの……自分もほんとに今病み期だから……

だから学が悪いなんて一つも思ってないから……

これからもいい仲間で…いてほしい……。」





私はカバンを持って教室を出た。



  どうしても今日は彼に会いたい




今は学のことを考える余裕なんてなかった。




早く彼に会いたい……。

彼に会って謝りたい……。



それだけしかなかった。

合い鍵のない家の玄関でずっと待ってた……。



途中母から何度も携帯が鳴ったけど無視をした。



もう…いい子でいなくていいんだ。

私はおねえちゃんじゃない




彼のためだけに……私自身のために素直に生きて行く……




愛することは自分に素直になること



もうどうなっても構わない……。

明るかった空が真っ赤に変わってそして日がしずんだ。



初夏の街でも日が沈むと肌寒く感じた。



 彼はなかなか帰って来なかった。




「陽之介……早く帰ってきて……」




何度もメールでそう打っては 削除した。

私が待ってたら 帰って来ないかもしれない・・・・・。




三十回目の母の着信に出た。



「何してるの?家にいるの?」母はかなり怒ってる。




「いるよ。電話に出たくなかっただけ…」嘘をついてみる。



母はホッとした声で



「今日はどうしても帰りが遅くなりそうだから

明日ゆっくり話ましょう。先に休んでなさい。」




「うん。」



携帯を切ったら 私の前に彼がたっていた。




「あ……」胸がいっぱいになった。




「何してんの?」 彼はかなり酔っている。




「謝りたくて……。」私は鍵を開けてる彼の背中にぴったりとくっついて

ドアを開けたら素早くはいりこんだ。




「もうここには来ないって…そういう約束だよ…ね…」


フラフラになって彼は靴をぬがないでひっくり返った。



「だけど…会いたかったの。謝りたかったの……。」



酒くさい息の彼は


「あはは・・・」と笑って



「そんな簡単には…許せないけどね……。

今日 俺はいつもの俺ではいられないから……帰れ……。

おまえをきっと傷つけるから…頼むから帰ってくれ……。」



そう言うとたちあがって ヨロヨロとリビングに入っていった。



そしてまた大きな音がして

私は慌てて彼の後を追った。




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