愛するという事 五話
「どういうことよ~さっき手をつないでたでしょ?」
志摩ちゃんと真紀子から取り調べ中
「違うって~あれは立たされるからって言って 学が…あ
王子が勝手に手を引っ張ったのよ。」
「もう~~お似合いだから・・・・
仕方ないな…」志摩ちゃんがため息をついた。
「王子って一年の時からめぐのこと好きだったらしいよ。」
「え・・・」私は飛びあがった。
「うちもお似合いだと思うわ。
めぐなら仕方ないかなって……。」真紀子もため息・・・。
「そんな…まだそんなことには…なってないし……。」
焦る私
「だけど他のファンが許さないかもしれないから
今日無事に帰れるように帰り道確認した方がいいよ。」
志摩ちゃんが苦い顔で言う。
「やめてよ~~~」
私的にはそんな所じゃない・・・・・。
彼がうちの親と会わないことを祈るしかない……。
彼とここで会うことも許されないなら
私の人生なんて・・・・考えられないから。
彼に別れようって言われたって
冷たくされたって
彼をここで見て胸をときめかす
そんな毎日だっていいから
彼と一緒の空間にいたいんだもん。
大きなため息をついた。
「どーしたの?」志摩ちゃんが驚いた。
「ごめん~~なんか親 担任に会いにくるらしい…。
最近ほんとにウザイ……。」
「めぐでもそんなこと言うの~?」
「私のことなんかどーでもいいのに急に干渉するのやめてほしい。
仕事かおねえちゃんしか興味にないのにさ。」
「おねえちゃんって死んだんだよね。」
「そうよ。もう十年もなるのに…今だに千夏千夏って
バカみたいなんだもん。あ~~ほんとイライラする。」
私が乱暴に壁を蹴ったら
志摩ちゃんと真紀子が大爆笑した。
「何で~~笑うのよ~~ぉ~」
「だって~めぐらしくないんだもん~」
「私…?私って何…よ……。みんなおねちゃんばっかで
私のことなんかどーでもいいくせに
どんなに頑張ったってどーせみんなおねえちゃんには……
叶わないんだもん……私は?恵美でしょ?千夏でもなっちでもないよね…」
涙が流れてきて 止まらなくなった。
「大丈夫?」
志摩ちゃんと真紀子が慌てて私を抱きしめてくれた。