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激愛  作者: Lavia
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愛するという事 四話

「学校休むんでしょう。電話しておくわ。」


母がそう言って出かけて行った。



勝手に決めないでよ・・・・

行くよ…だって彼に会いたいもん……。



冷えた体をシャワーで温めて 髪の毛を整えて

制服に着替える。



鏡の中の私は 大人の私になっていて

子供の私は今日も守られていた。



教室についたのはニ時間目の途中だった。

後のドアを開けるとみんなが一斉に振り返った。



「あら?小山内さん欠席じゃなかった?」

数学の先生



「いえ~遅刻です。」

私はそう言って席について教科書を机の上にだして

授業に入った。



余計なこと考えずに…勉強しよう



弱い私を押しのけて 大人の私がそう言ってる。

大人の私…嫌いじゃないな~


弱い私が感謝している。



休み時間 友達が集まってきた。



「めぐ 欠席って言ってたよ。」



「うん~親が勝手にそう言ったんだもん。」




「いいじゃん~休ませてくれるなら

私なら休むけどな~」




「だって学校の方がいいもん。

うちにいたって楽しくないし……することないもん…」



  彼に会いたいんだもん……



それからようもないのに廊下を歩いて

職員室の前を通ったり教科室の前を横切ったり

でも残念なことに

彼には会えなかった。



三時間目は担任だった。



「あれ…小山内どーした?欠席だって連絡来てたぞ。」



「親が勝手に連絡したんです。」



「そうか・・・・でも放課後来るんだぞ。」



「え?誰がですか?」



「ご両親。おまえなんか心配させてんのか?

俺には変わったとこないと思うけどと言ったんだけど…」




「そうですか…」



「心配させんなよ。

よし…じゃ授業始めるか。」担任が話を切り替えた。




何しに来るんだろう。

私の行動を学校のせいにでもしたいのかな



そんなことを考えてると

あ・・・・・



彼のこと……

彼が見つかったら大変なことになるわ



私はパニックになった。



授業が終わったらすぐに飛び出した。

教科室 職員室 どっちに行こうか迷ったけど教科室に向かった。



教えなくちゃ

両親が来ること…見つかったら大変なことになる


彼と会えるこの空間を奪われたら

私は生きていけない・・・・・・。




私は祈るように彼を待った。



話声が聞こえた。

それがすぐに彼で相手は山岸先生だと思った。


彼の視線が一瞬私をとらえた。



「あら?小山内さん?」山岸先生が私に気づいた。




「あ……あの…溝端先生 ちょっといいですか…」

私は彼に声をかけた。




山岸先生はそのまま教室に戻っていった。




「何?」厳しい顔で彼が言った。



「放課後 両親がきます。

それをつたえにきました。」彼に抱きつきたかった。




「そう・・・・。

俺に会いに来るの?」



私は首を振った。



「見つからないで……絶対に見つからないで…」



そう言うのがやっとだった。

それ以上彼と話してたら 大人の私だって泣いてしまう。



この胸は私だけのもの



そう叫んでる……。



愛おしくて胸が震えている。

私は彼をあきらめられない………



もう一度彼の顔を見た。

彼は悲しい顔をしていた………。



私は会釈して彼の横を走りすぎる。



ゆっくりだと抱きついてしまいそうだった……。



そして涙が流れる。

こんなに…こんなに好きなのに……。




「めぐ~」後から声がして慌てて振り返った。



王子が立っていて

私の涙に戸惑った顔をしていた。



あ…

気がついてゴシゴシと目を拭いた。



「どうした?」



「ううん…思春期だからね…いろいろあんのよ。」



「おっせな~俺は中学で終わったけどな~」



王子の笑顔に思わず私も笑った。




「親来るんだろ~めっちゃ思春期じゃん?」



「うっさいんだよね。ほんとにイヤになるわ。」



「めぐでも反抗するのか?」



「思春期だしね。」



王子と話してると少し元気になった。



「今日も…めっちゃ可愛いよ…。」



「え?」聞き慣れない言葉に耳を疑った。



「何回も言わすな。俺だって必死なんだからな。

今日も可愛いって言ったんだ。」



私は思わず頬が赤くなった。



「ありがと・・・・学…も…

カッコいいよ……」

勢いで 学と呼んだ。



学は嬉しそうに笑った。



「めぐに言われたら最高にテンション上がった。」



思わず吹き出した。



彼との距離が深まっていく中


学との距離が縮まった気がした。



「気長に返事待ってるからな……。」



そう言えば告白されたんだっけ……




「あ…それは……む…」と言いかけた瞬間に

チャイムが鳴った。



「あ~~やべ~~ほらまたたたされるぞ~~」

学はそう言って

私の手を握って走り出した。




王子の行動にギャラリーが目を光らせた。



「ちょ…ちょっと…学…手を……」




学はニッコリ笑って振り返った。


「本日のミッション完了~~」


学は私の手をしっかりと握りしめた。

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