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願いの外交官  作者: トコトコ


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第2話 祖母の家

 ――合格発表まであと三日――

 二月十四日は母と買っておいた有名店のチョコを食べる約束をしていた。ようやく食べられる、と喜んでいた。

 母は私に対して言いたいことがあるようだった。

「友香里、合格発表まであともう少しだね! 楽しみね。やっぱりずっと頑張ってきたものね。私、貴方の頑張りはずっと見てきたし……」

「うん! めっちゃ緊張するー」

 自己採点したあとにその結果を登録したサイトによれば、A判定だった。その時は本当に全力でバンザイした。

 私立大学を志望ではあったけれど、念のため、国公立大学も登録していた。緊張の瞬間であった。結果は私立大学以外はE判定。おぉ……と言いたくなる感じだったが、本命がA判定ならひとまずは安心、ということだろうか。

 受験期に、白露神社に行き、母とたくさん祈っていた。嬉しかったし、愛情を感じた。

 様々な祈る場所があったと思う。大学に合格出来ますように、と一生懸命唱えた。

 その後、合格セットを買っていた。まさかこんなに豪華とは、と思いつつ、家に着いてから開封した。

 マークシート用の消しゴムと、キャップ付きえんぴつ三本、お守り、神様が宿ったおふだである。おふだは、立てることができ、感動ものだった。

 無邪気に喜んで、何かあるごとに必死にお願いしていた。

 神様の宿ったおふだは、自分の座っているところの右側の横にある。お守りもそこにあるため、なんだか心強かった。

 ――合格発表当日――

 とうとうこの日がやってきた。正直、めちゃくちゃ緊張している。大丈夫、とは思うけど、万が一ってこともあるからだ。

 母が私に話しかけてくれた。

「……明日、天気が良かったら、おばあちゃん家に行く?」

「行きたい! ってことは……白露神社に行ける! ……やったー」

 友香里は、早く神社に行きたいと願っていた。おみくじや今年の運勢が気になっていたからだ。何より……神様にお願いできるからだ。

 願い事は既に決めてあった。神様と友達になりたいと願うことと、大学生活を一緒に謳歌すること。健康、国際問題が解決しますように。外交官になりたい。と期待しながらお願いをしようと思っていた。

 合格発表の時刻になり、急いで、ページを確認する。合格の文字が目に飛び込んできた。実感がわかないまま、母と手を取り合って飛び跳ねた。

「明日は誕生日ね……おばあちゃん家に行った帰りに、白露神社に行きましょう」

「やったー! よっしゃー!」

 思わず、拳を握りしめた。

 ――誕生日当日――

 いつも通りの六時頃に起床し、味噌汁にご飯を入れて食べた。

 いつも通りの味、と思いながらも、豆腐の切り方を最近頑張っているため味が以前より染みている気がする。もっとも……豆腐を切るのは失敗したが、それでも満足である。

 この日は母も同じ朝食をとった。珍しいな、と思う。

 冬用のあったかいズボンと、セーターを着る。母も支度を整え、リュックを背負った。私もリュックを背負う。

 母と今回は一緒だな、と考えながら家を出た。お母さんと一緒にお出かけなんて珍しい。

 八時頃の電車に乗った。電車は混んでいて、座れなかったため、立つしかなかった。

 友香里はどうしよう、電車で立ちながら駅まで待つの苦手なんだけど、と心の中で唸っていた。

 通勤中の人たちなのか、スーツを着ていたような気がする。というか、混みすぎでは?? という感想を抱くしかない。

 電車が走りながら、意外とそこまで揺れなかったことに驚いていた。バスで立ったときは、あんなに揺れたし、電車のときもそれなりに揺れたはずだったからである。意外だ……運がいいのかも、と小さく微笑んだ。

 すぐに……乗り換え地点の駅に着いた。案外早いな、という感想だった。

 電車を乗り継ぎ、最後はタクシーでおばあちゃんの家へ向かった。

 着いた、と祖母の家を見る。古いマンションであり、すぐ近くには広い空き地があった。自販機があり、そこが目印だと思う。ピンポンを鳴らすが出ない。もう一度……もう一度……

「というか、鳴ってるの? このチャイム??」

「鳴ってるのでしょうか……なんだか怪しいね」

 もう一度玄関からノックしてみると、はーい、と返事が。良かった、と安堵する。母も同じ気持ちのようだった。

 ワクワクしながら家へ入ると、案の定チャイムは電池が切れていたらしい。

 さらに話を聞くと、最近おばあちゃんが家の中で転んでしまった際、電話のコードに引っかかって線を緩めてしまったようで、電話まで不通になっていたそうだ。

「故障かと思ったけど、挿し直したらすぐ直ったのよ」と笑う祖母。

 結局、大事ではなくて一安心だった。

 祖母からは祝いとして封筒を貰い、祖母の家を出た。

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