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第4章 変わらぬ断罪 第6節

第4章 変わらぬ断罪 第6節



王城からドレスが届きました


それはわたしを夢から現実に呼び覚ますのには十分で


しかし同時に疑問も


婚約者としてこれを着ろと言う事なんでしょうけど


殿下の瞳の色に合わせたであろう碧い色が濃淡鮮やかにあしらわれた


…ええ前回はあえて着ませんでしたが


あらためて考えるとこれが送られてきていると言う事は


両陛下は今の殿下の…この後のパーティーで何があるのかご存じではない


あれは殿下の独断なんでしょうか


いえ、殿下のというよりは


誰かの筋書きではあるものの陛下はご存じでは無いと言う事かしら


いえ、それはいいのです


わたしはもう…


その結果この国がどのような未来になろうとも


わたしもその未来に共に行きたいのです


わたしが望むものはそれだけなのです


ただ、出来れば生きて…


そうしてまた、卒業パーティーの日を迎えることになるのでした




#####################################




「ヴィー様、やはり赤いドレスがお似合いですわ」


こうしてヴィー様のドレスと並ぶと、


赤と青、なんだかお揃いみたいで、これはこれで嬉しいものです


「エリー、あなた、そのドレスは…」


楽しく日々を過ごす中でも噂は聞こえてきていましたもの


あえて何も問われは致しませんでしたけれど


ヴィー様にも何か思うところはあるのでしょうね


「ええ、どうですか、まるでヴィー様とお揃いみたいで

 それだけでわたくしは嬉しいのですよ?」


「あなたがそう言うなら、わたくしからは何も言いません

 まったくエスコートすらしないなんて…」


「あら、ヴィー様、

 エスコートが希望でしたら弟でも呼んできましょうか?」


「な、な、何言ってますのよっ!」


「ふふ、でも、なかなか会長を引き継いでから忙しいみたいで

 家でもあまり顔を合わせませんの」


「そのようですわね。先ほども生徒会の方かしら?

 何か呼ばれて、

 焦った様子で外の方に走っていきましたもの」


「あら、そうですの、さすが昔から大好きなだけあって

 よく見ていらっしゃるわ」


…毎回、パーティーに弟がいないのはそのせいかしら?


「え…わたくしそんな…え?

 エリーの弟ですわよ…気に留めるのは当たり前…」


ヴィー様が何か呆けて呟いておられますが


そうしているうちにも、入場は進んでおり


「ヴィルヘルミナ様、入場お願いします」


ヴィー様に入場を施す声がします


「では、先に参りますわ」


「ええ、また、のちほど」


こうしてヴィー様と入場するのも初めてですけど


…毎回遅刻していらして…もしかして弟の様子を見に行かれていたとか?


まぁそれは今はいいでしょう


すぐわたくしの番なのですから


また変わらぬ…待ち受けているのでしょう


でも大丈夫ですわ、


ヴィー様と過ごした時間のおかげでわたしは…


何処かで、あきらめていたのでしょう


起こることは知っていたのに


何もしてこなかった


いえ、何かしようとも思わなかった


そんなことよりヴィー様と過ごす時間の方が


わたしには…


この先また、ヴィー様と会えないかもと考えてしまう


常にどこかでその考えがわたしの心を醜く塗りつぶしていたのです


「エリザベート様、入場お願いします」


扉に控えた案内の者が声をかけてきます


さぁ何度目かもわからない断罪の時間のはじまりです




#######################




会場の扉をくぐり中に入ります


先に入場していらした方々がヴィー様にあいさつをされています


軽く回りを見ますと、いつもと変わらないわね…


今回は誰にも何も言ってませんもの。


アンナとイリスも、彼女たちも高位貴族の家の者ですから


挨拶する人々に囲まれていますわ


それと…ルイーズ様は


本当にこの会場にいるのかしら


どこかに隠れておられるのでしょうか、


この先ご実家のお仕事もおありですし、


こういった場所で貴族の方々ともう少し交流なさっても…


一通り周囲を見渡し当然の様にヴィー様のおられる方へ向かいます


ヴィー様に近寄るわたくしを見て


少しざわめきが起きます


ああ、学園ではもう慣れてしまった光景でしょうけど


本日おられる保護者や、大人の方々たちは何事かと思われたことでしょう


「ヴィー様、お待たせしましたわ」


「エリザベート様、来賓の方に挨拶などはいいのですか?」


「あら、エリザベートなんて他人行儀な呼び方。ふふふ」


「まったく、あなたは…

 いいですわ、エリー

 あなたとこうして学園生活を送るのも最後ですもの

 せいぜい楽しみましょう」


迷いながらも笑顔でヴィー様が素敵な提案をなさります


「ええ、ありがとうございますわ、ヴィー様

 あとでダンスなどご一緒にいかがですか?」


…そう言えばダンスなど踊ることもなく終わるのでしたわね


「あなたそれは…まあ、いいでしょう

 あなた男性パートを踊れますの?

 わたくしは無理でしてよ」


わたしの提案に迷いながらも同意してくださいます


「ええ、お任せくださいませ

 こんなこともあろうかと、どちらも踊れるように練習していますわ」


「…どんな事を想定してたのよ」


呆れながらヴィー様がそう言います


その時です



扉がバンと開く音とともに


会場の奥がざわつきはじめ


ドキリとわたしの胸がはずみます


…きて…しまいましたのね


もう少しこの時間を


ああ、申し訳ありませんヴィー様


やはりダンスは踊れそうにありませんでしたわ


そうしてまた運命の連鎖へ引きずり戻されるのでした




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