表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/28

第4章 変わらぬ断罪 第3節



第4章 変わらぬ断罪 第3節




そうわたしは前回で学んだのです


思い込みはいけないと


馬車を降りると目の前には学園の校舎が並びます


初等部、わたくしが通う中等部、


そして卒業後に皆は進む事になる高等部


その奥には一部の生徒が生活する寮などもあります


建物の配置は変わりませんわね


外壁や装飾等は違うようです


正門近くの馬車寄せから周囲を改めて眺めます


前回のような恥ずかしい思いはしませんように注意しませんと


それぞれの校舎に向かう生徒を眺めていますと


向かうべき中等部の校舎は以前と変わらぬ場所の様子


今朝がた用意されていた制服のリボンの色を見ますと


色別で学年分けがされていることも間違いなさそう


あとはそう…教室ですわね


また教室の並びが入違っている可能性もありますし…


…うぅ、わすれましょう


今回の名前はわかりませんが


お供の二人を見つけるのもいいかもしれませんね


今までもそれほど大きな容姿の違いはありませんでしたし


迷子、と思われるのは勘弁願いたいのですが


校舎の中を歩いていれば案外あちらから声をかけてきてくれるかもしれません


なかなか、考えがまとまりませんが


何時までもここに立っているわけにもいきませんし


とりあえず校舎の方には向かい始めましょう


…御者が帰れず困っているようですし


さて、あまりきょろきょろしているわけにもいきませんから


背筋を正し、前を向いて。


吊り上がった目尻に、たおやかな曲線を添えるように、


いつものように微笑みを浮かべるのです。


さあ、


公爵令嬢エリザベート・エルンストラートの時間が始まるのです


などと覚悟を決めようとしたとき


その声が響いたのです


「おーほっほっほ」


迷うことはありませんでした


「おはようございますわ、エリザベート様」


その声が聞こえた瞬間わたしはもう駆け出していたのです


「本日も良き晴天に恵まれって、ふぎゃ

 ちょっと!なにしてますのっ!エリー様!」


彼女に駆け寄ると飛び込むように抱き着いていたのです


「ヴィー様」


ほんものですわ、わたしが間違えるはずございませんもの


抱き着いた勢いで二人して倒れる様子を


周囲の皆が見てざわついていますが


気になどなりません


「放してくださいましぃ…うげぇ」


なんだか聞こえてはいけないようなうめき声が聞こえますが


この手を離すことはできません


あのような、あの時のような喪失感をもう味わいたくはないのです


「エリザベート様ー」

「エリ様」


何処となく見覚えのある二人が走り寄ってきますが


わたしはヴィー様から離れようとはしません


…ヴィー様柔らかい…ふへへ


「…エリー、頭でも打ちましたの?」


ヴィー様らしくない何処か冷めた声で問われます


「ヴィー様ひどいです」


「あなたねぇ…はぁ、いいから起きなさい

 あなたが起き上がらないとわたくし立てませんの」


冷たいヴィー様もそれはそれで…


「もう少し…だめですか?」


ちょっと甘えてみましたが


「ダメです、ほら、お付きの二人が来ましたわよ、立てるでしょ?」


「うう、残念ですわ」


しぶしぶ立ち上がるわたしに


「エリザベート様大丈夫ですか、ヴィルヘルミナ様も、お手を」


「ええ、ありがとうございます

 うちの侍女が外しているもので、たすかりますわ」


わたくしよりヴィー様に手を貸すなんて、


ルチア…今の名前はまだわかりませんが、さすがわたくしの側近ですわ


「エリ様ケガある?」


「大丈夫ですわ、ヴィー様が受け止めてくださいましたし」


嬉しそうに言うわたしを少し不審げに見つめるこの子は


ノエル…今回はなんてお名前かしら、今聞くのもおかしいですわね


「それで、急に抱き着いてきたりして、何が目的かしら?」


「そんな…目的なんて、お久しぶりに会えましたから

 少し、感極まったと言いますか…」


言い淀むわたしをいぶかしげに見つめると


「お久しぶりって、エリー…昨日も会いましたわよね?」


「そうでしたっけ?」


ヴィー様の言う昨日と、わたしが記憶する昨日は別の日なのですから仕方ありせん


「何があったかわかりませんけど、

 もう授業が始まる時間ですから教室向かいませんか?」


ルチア(仮)がそう言うと授業の開始を告げる鐘がなります


周囲の喧騒もいつの間にかなくなっておりました


「はぁ、もう遅刻ですわね…エリーのせいですわよ」


「あの、ヴィー様…積もる話もありますし

 よかったら、この後少しお時間をいただければと…」


「わたくしには積もる話などありませんが…はあ、まぁいいでしょう」


「ありがとうございますわ、

 それで、えっと…」


「わかりましたよエリザベートさま、

 サロンでも借りてきますから」


こちらでも出来る側近ですこと


「おねがいいたしますわ、

 わたくしと、ヴィー様で後で向かいますから」


「ああ、わかったよ

 イリス、二人を頼むな」


「わかったアンナ」


ちょうどよく二人の名前も判明しましたわ


「じゃあ行ってくる」


そう言うとアンナが校舎に向けて駆け出すのでした






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ