fighting spirit
腫れ上がった左目が
涙をこらえた
痛みがしきりに
歯ぎしりさせて
欠けさせる
食いしばることもできなくなって
それなら喰らって呑み込んでやろうと
意気込んだのさ
相変わらず
下手に貼った絆創膏はずれ落ちる
膿んだような臭いが染みた
包帯は邪魔でしかたないな
肩を脱臼した時は
決まって天気予報が外れる日
口に含んだ飴玉は
血で不味くなった
更に雨は降る
雨粒次いでに
拳で倒れた回数を脳にその都度
棒線刻んで数えてく
格好つけた殴り書きは
一丁前に思いつくくせに
メンチを切る怒声は
いつも震えてキマらない
それでも
何度だって
握りしめる
力は弱いけど
無駄な傷ばかりでも
吠えるんだ
未だ癒えぬ左目で
睨み付ける