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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

即興短編

滝のように流れる汗の音

 どどど……


「つまり、あなたは……」

 目の前で土下座する夫に、上から私は言った。

「したってわけね?」


 ど……どどばばばばば……


「何か言えば?」


 どざーっ! どざーっ!


「べつにいいのよ? あなたは自由な一人の男のひとなんだから」


 ど……


「でもね……」

 私は腰掛けている食卓の椅子の足をギシッと鳴らした。

「もしまだ私たちを愛してるというのなら、それは許さない」


 どど……っ


「家を出ていくというのなら、許すわ。そして二度と帰ってこないのなら、ね」


 ど……どどど……どだだざばーっ!


「当然でしょ。あなたは私と家庭を裏切った。そうでしょ?」


 ざざざばばばだばだばだば……


「浮気をするとはそういうことよ? あなた、その覚悟はあった? もしかして私のこと、舐めてた?」


 ばばばばば……

 ドドドドド……

 ばしゃばしゃばしゃ……!

 ずどおーーーーー!!!


「さようなら、クズ夫」



 ざばっしゃーーーーん!!!



 夫はすべて滝のような汗となって床に崩れ落ちた。

 面倒臭い。これだけの量の臭い液体を片付けさせやがって。



「ただいまー! おかあさーん!」


 娘が幼稚園から帰ってきた。

 早く臭い液体を片付けておやつにしてあげなくちゃ。


「なにー? このみずー? くっさーい」


「大丈夫よ。ママが全部掃除するから」


「パパはー?」


「お仕事よ」





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― 新着の感想 ―
人間の身体は六割が水分らしいけど、この旦那さんは九割以上が水分だったんだな。 …………スライム?
[一言] 汗が出過ぎてると脱水症状になりますよね? 最悪の場合、ご主人は干からびて死んでしまいそうです。 浮気の罰はきついですね。 古今東西、浮気の事例はよくあることです。 特に男性は多種多様な子孫を…
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