表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

はちわ!

夏休みに終わると言ったな?

あれは、嘘だ。






◆◆◆


 巻き込まれたサミーさん。妖精の悪戯。

 大掛かりな、移転。

 ……おそらくは、そう、禁じられた闇魔法の仕業でしようか。ふむ。


 わたくし、物思いに耽ると、周りの物事が一切、耳にも目にも入りませんの。


 はっと気付いた時には、わたくしのドレスは完璧な姿でした。

 魔導盛装(マギドレッシング)の、完全正装(フルドレス)の姿になっておりましたの。


 ……この姿に成る事が叶うのは、元の世界でしたら、ある条件を達しなければ、ならなかったはずです。


 それこそ、聖女の御力を使うような、神の奇跡を起こす事。


 わたくし達の世界では、聖なる水を尊き存在として、『清らかなる冷たき流れを司る』女神様を敬っております。


 清らかかつ、冷たき流れを操ることこそが魔法であり、より女神様への信仰が強く、清らかな乙女が、光の流れをもたらす、聖女となりますの。


 その逆は闇ですわ。穢れ、停滞、熱き汚泥、恐ろしき渇き。

 禁じられた闇の魔法に対抗できますのは、聖女の御力のみですの。


 その聖女の御力が、わたくしのドレスに掛かったかのようですわ!


 ……今、わたくしの中には、わたくしと、サミーさんの魂がおります。

 

 もしや、サミーさんこそが、聖女なのでは?


 わたくしは、他の令嬢方を見回します。

 やはり、わたくしのように、魔導盛装(マギドレッシング)の、完全正装(フルドレス)の姿の方は、おりません。


 サミーさんが、聖女。


 そして、やはり、わたくし達の世界で、闇の力が発現した可能性が、高いですわ……!


 わたくしの魔力が、高まるのがわかります。

 この力を使って、まずは周りの状況を把握しなくては。


 「天空の高原レタス(スカイプラトーレタス)


 ふわっとした感覚があり、わたくしのドレスが、まるで風船(バルーン)のように浮かびました。


 風の魔法……。わたくしには、無かった力ですわね。


 そのまま、ふわふわと飛び、ラボの中をぐるりと見て回ります。


 そして、おかしなことに気付きました。


 本棚、薬品棚、工場に流れる水、水耕栽培。

 レタス、キャベツ、ニラ、緑の野菜。


 ぐるりと回って戻りました。


 ここには、どこにも出入り口がないのです。


 「サミーさん、ちょっと、ご相談させてくださいませ。」


 わたくしは、祈るようにして手を組み、そのまま眠りの魔法を自分に向けてかけました。


 ……脳内会議とやらを、始めるために。





サミー…本名、佐藤雅美。

異世界といえば、名前を名乗ると隷属されちゃう!?と心配になって、適当にササミから名乗る。雹が頭にぶっ刺さって、生と死の狭間にいる。

そのため、過去の自分の世界にいる、と思っている。

ぶっ刺さってから、時間がそれなりに経過している。


いつ終わるのだろうか、と作者も心配している。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ