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#12 カリスマブロガー①

 長期の仕事が終わった。ネットでは、また依頼が来ていた。数は二桁いっていないが、来ていた。男子高校生以来の、依頼の引き受けだ。男子高校生以来の、依頼の引き受けだ。男子高校生以来の、依頼の引き受けだ。三回、言ってしまった。三回も、言ってしまった。三回、男子高校生以来の、依頼の引き受けだ、と言ったら、誰だってイライラするよな。さて、次はどの悩みを解決するかな。どの依頼者を助けようかな。


 メールが、気が滅入るくらいの量来ている。そんなことはない。そんなことは、あと9年後くらいに、9パーセントくらいの確率で、あるかもしれない。そんなレベルのお話だ。そんな、9人いたら、9人がポカンとするような、夢の夢の話。急に9ばかり使い出したな。そう思っていた。自分でも、なんで9を急にいっぱい使ったかは、分からない。分かっていたら、6と9はあんなに似ていてややこしいのに、なんでカタチを変更しないのかも、とっくに分かっているはずだ。


 依頼のなかに、知っている人がいた。カリスマブロガーだ。テレビとかテレビとか、テレビとかテレビとかで、特集をよくされる。そんなカリスマブロガーだ。仮住まいか、仮住まいではないかは、知らない。自分の、ご想像にお任せする。カリスマブロガーと読むと、普通だ。でも、区切るところを変えると、一気に変わる。カリスのあとで区切ってみよう。カリス・マブロガーとすると、ハリウッドセレブに聞こえる。聞こえなくもない。


 依頼は簡単だ。日常にあふれるネタを、ひとつも逃したくないらしい。ネタを出来るだけ多く、集めたいみたいだ。毎日書いていれば、ネタは無くなる。だからこそ、僕の出番がやって来たわけだ。どこかの歌で、誰かが言っていた。♪小さなことに気付いたとき 幸せは大きくなる と。違った。それは、どこかの歌じゃなかった。僕の頭の中の、名言おじさんの言葉だった。


 ボイスレコーダーには、できない。この仕事は、ボイスレコーダーにはできない。記録屋にぴったりの案件だ。文章は、一気に確認ができるから。一気に確認できれば、速読でネタをパパッと見つけ出すことが出来る。文字起こしをしないといけない。そんな、どこかのなんとかレコーダーさんとは、違うんだ。今は頭のなかで、ハリウッド女優カリス・マブロガー主演最新作の『ダイナマイトハート』の上映が始まっている。だから、思考が進まない。


 決めた。この依頼を引き受けることにした。ファン一歩手前の人の、お手伝いが出来るんだ。やらない手はない。このカリスマブロガーの、ファン予備軍ではある。でも、ファン予備軍の予備軍かもしれない。架空ハリウッド女優カリス・マブロガーのファンであることは間違いない。でも、そのカリスマブロガーの、ぴぴぷぷさんのファンでは、まだない。


 また長期だ。長期密着型で、進めるやつだ。この記録屋という仕事は、長期の需要が高い。ちょっと違うかもしれないが、ゴミ拾いに似ている。ゴミ拾いは、この広い世界からゴミを見つけて拾う。記録屋は、この長い人生の言葉から、忘れられそうになった言葉を拾い上げて、活用する。似ている。早速電話をした。引き受けることを伝えるために。カリス・マブロガー主演の脳内映画は、まだまだ中盤に差し掛かったばかりだ。

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