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失恋生活六日目

 自分の思考回路の中で悩んで落ち込んで、それでも自己解決する。最終的にはスキップで終わる女の子って一見めんどくさいかも知れないけど私は好きです。

「アホ毛カッター・ツヴァイ!!」



 私は脱着させたアホ毛を蜘蛛に向かって全力で投げ込んだ。


 ふふふ、これでも私はポスティングシステムでメジャーリーグに挑戦したことがあるのよ? 私のアホ毛は本場アメリカ仕込み!!



 あれ? アホ毛って本番は日本だっけ?



 蜘蛛は私が相手をすると決めました。ミケは水場に現れたゴキブリを追い払うべく必死で威嚇をしています。



「シャーーーーーーーー!!」



 ゴキブリの天敵第一位が蜘蛛で第二位は猫、そんな天敵に挟まれたらゴッキーだって必死になって逃げるのは当たり前。


 ゴッキーたちはミケの活躍もあって一目散に姿を消しました。


 じゃあ私もサクッと蜘蛛を引っ捕らえますか。だけど実際にどうやって生捕にしようかな。この蜘蛛はとにかくデカいのよ。



「うーん、目算で10メートルくらい? 蜘蛛ってお尻からウ◯コみたいに糸を出すんだっけ?」

「にゃにゃにゃー!!」

「え!? 乙女が軽々しく『ウ◯コ』って言うなって!?」



 またミケに怒られちゃった。


 はいはい、じゃあ私もそろそろ真面目に蜘蛛を捕らえますか。だけど蜘蛛って獲物を捕らえるために糸を出すんだっけ?


 あれ? もしかして生捕にしても糸を出してくれないとか言わないよね?


 もしかして本当に藪蛇だった? ヘビをなます斬りにしたから罰が当たったとか?



 ヘビだけにヘビーな展開?



 まあいいや。


 完全に目的を見失ったけど今は蜘蛛を倒すことに専念しますか。となればまずは蜘蛛の弱点を突きまーす。



「ほいっとな!! 斬鉄剣で外皮をメッタ斬り!!」

「にゃーにゃにゃー!!」



 私の見事な剣術にミケが拍手喝采を送ってくれました。肉球のせいで拍手の音が響かないけど素直に嬉しいです。


 て言うかこの蜘蛛、私に向かってやたらと敵意をむけて来ている気がする。多分気のせいじゃない。この蜘蛛、もしかして……。



「……オス? だったりする?」



 わお、私がギャルピースで誘惑したら蜘蛛にもの凄い剣幕で怒られちゃった。と言うか蜘蛛ってオスメスの概念とかあったっけ?


 うわー、それでも今度は蜘蛛にまでフラれちゃった。


 凹むわー。


 だが私がガックリと肩を落として落ち込んでいると、怒り狂った蜘蛛はこれまたもの凄い勢いで周囲に糸を撒き散らしてきた。



 何よ、冷たい素振り見せていた割にはこの蜘蛛ったら積極的じゃない。そんな粘着性の高い糸で私をどうしようって言うのよ。押し倒して熱い夜を洒落込もうってのね?


 個人的には強引なのは嫌いじゃないけど……。



「あまり強引すぎると女の子に嫌・わ・れ・る・ぞ?」



 私が軽く注意を促したら蜘蛛が激しく興奮しちゃった、威嚇を強めて更に糸を撒き散らす。


 やっぱり恥ずかしかっただけなんだ。


 こんな美少女を前にしてツンデレだったんだな? だけどやっぱり同意の上じゃないと私は絶対に体を許さないタイプなの。


 だから蜘蛛さんの情熱的なお誘いは申し訳ないけど……。



「お断りよーーーーーーーー!! せめて年収700万円くらいまで出世してからプロポーズしてねーーーーーーー!!」

「にゃにゃーーーーーーー!?」

「アホ毛カッター・フィーア!!」



 四本のアホ毛を蜘蛛さんに向かって投げて彼の手足を全て切断した。その様子にミケが驚いた様子を見せる。


 ミケはシミジミと「成長したにゃー」と私の暗殺術を褒めてくれました。


 その声援を一身に受けて私はミケに投げキッスをしながら斬鉄剣を一閃して蜘蛛をぶった斬りました。


 蜘蛛は昆虫じゃないから外皮が柔らかい。だから私の剣術と斬鉄剣を持ってすればとても簡単に切断ができるのだ。ま、ざっとこんなもんよ。


 糸が手に入らないと途中で気づいて生捕の予定を変更したけど、周囲に撒き散らされた糸を見渡して私はホクホクと笑顔を浮かばせながらスキップで崩れ落ちた蜘蛛に近づいて行った。



 何しろ目的の糸が手に入ったのだから。



「ふふーん。これで一気に無人島生活が潤うわー、糸に水に食料を確保ー!!」

「にゃー!!」



 私はミケと頬擦りしながら喜び合って戦利品を砂浜まで運んでいくのだった。

 下の評価やブクマなどして頂ければ執筆の糧になりますので、

お気に召せばよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 個人的に気になったのはアホ毛カッターのドライがどこで使われていたのかという所でしょうか。 いつの間にかアウフヴイーダーゼンしていたのなら仕方がありませんが。 ……うぅ、もうドイツ語忘れてし…
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