美琴の告白①
美琴の家は5階建てのマンションの、3階。うさぎの麦を飼うため、ペット可のマンションを選んだ。偶然、同じマンションには学部の友人も何人か住んでおり、よく部屋を行き来したりすることがあった。その為、部屋はある程度は綺麗にされており、美琴は下の下の階にいる友人にそっと感謝するのであった。
私の好きな人が、家にいる。
美琴は緊張しながら、はるちゃんにお茶を出した。そして、帰り道ずっと聞けなかったことを聞いてみた。「はるちゃん、ごめんね。合コンは、楽しかった?」ごめん。無理やり連れ出してしまって。
「ううん。ああいう場はやっぱり苦手やったんよ。美琴といる方が落ち着くわ。」美琴は胸の中の小人が小さく跳ねるのを感じた。
「はるちゃんは、どんな人が好きなの?」「うーん、分からへんなぁ。」「恋人は欲しい?」「はは、まぁせっかく華の女子大生やからね。美琴は?」
ナチュラルに話せていると思っていた。しかし、好きな人に自分の恋愛事情を聞かれるのは、こんなにも心臓に悪いものなのだと知った。「えっあっえ…うーん…あー…」「なに?美琴?隠し事してない?」近付いてくるはるちゃんの顔。緊張で目を瞑ってしまいそうだった。
はるちゃん。はるちゃん。私の好きな人は、貴女なんだよ。おかしいかな。でも、好きなんです。