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女友達に、恋をするなんて②

はるちゃんは少しだけ驚いたようにこちらを見た。「美琴」木屋町の群衆の中、聞き慣れた声に少し安心する。


「はるちゃん、飲みに行かない?」少し赤くなっている私の目を見たはるちゃんは、察したように「行こか」ただ一言、そう言ってくれた。


木屋町は京都有数の飲屋街である。サークルの集まりでよく来ていたバーに、はるちゃんを連れ出す。はるちゃんはあまりバーには来たことがないようで、少し目を輝かせて周囲を見ていた。普段大人びた彼女のその一面を見て、私は少しだけ心が軽くなったような気がした。


はるちゃんはウーウーというカクテルを頼み、変な名前なのに意外と美味しい、と嬉しそうに笑った。私はジントニックを飲みながら、やっぱり私にはまだ少し苦いな、と自嘲したように笑った。


はるちゃんに彼(と呼んでいいのかはもう分からないが)の話をすると、うんうん、と静かに聞いて相槌を打ってくれた。「そんなに好きだったわけじゃないんだよ。」「うんうん。」「でもやっぱり少し悲しくて。」「うんうん。」「というより、悔しいのかも。」「うんうん。」お酒が進む。はるちゃんの心地良い同調に、ペラペラと話も進む。


自分の話を静かに肯定して聞いて貰える、これって当たり前じゃなくて、すごく有り難いことなんだなと思った。

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