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ナニモカンジナイ ワカラナイ  作者: モモタマ
3/3

すみずきさんは良い人

彼女と教科書を見せながら、2時間、国語と算数の勉強をした。

僕にとってはとてもイライラした2時間だった。彼女はすみずき みらいと言うらしい。すみずきさんは何かを、例えば「教科書、見づらくない?」など聞いても、

30秒くらいしないと答えない。この場合は「…大丈夫」と言うような感じで僕が言えることじゃないがノロマだ。

なんだか僕はいじめられているからか、

こいつももう僕と話したくないのかなど

イライラしてしまったのだ。

中休みに何もせずにゆっくり休もうと僕は思っていたが、また先生に呼ばれた。さすがに先生を無視するわけにはいかないので「はい!何ですか?」と聞いた。

そうするとまた面倒なことに、「すみずきさんに学校を案内して上げてくれないかしら?」と聞いて来た。周りには龍文がいて、もしこれを断ると「調子にのるな」など罵られる。なので「はい!」と言ってしまった。こいつが僕のイライラの原因なのになんでまた……などと考えたが、もう言ってしまったことは訂正できないので仕方ない。僕は案内しようと「すみずきさん!案内するからちょっといいかな?」と聞いた。するとまた少ししてからコクリと頷いてこちらへ来た。

そして廊下を歩き始めるとすみずきさんは「…ありがとう。」と言った。

僕は心が少しだけ暖かくなった。

最近はお母さんにも先生にももちろんクラスメイトにも「ありがとう。」などと言われたことがなかったからだ。

僕は「どうもいたしまして。」と答えた。どうも照れくさい。などと考えていらうちに案内は終わりかけていた。

最後に案内するのは屋上だった。

屋上にいく階段を登りかけたときに、

僕は「この階段を登れば屋上だよ。」と言った。そうするとまた少したってからコクリと頷ずく。僕は耐えられなくて、「僕と話すの嫌なら言ってね。」と言った。そうするとしばらくして「…どうして?」といった。僕はもうどうせ嫌われてるならハッキリ言おうと思って「だって僕が話しかけても少したってからじゃないと返事してくれないし…だから僕とあんまり喋りたくないのかなって…だから…その…僕そう言うの慣れてるし嫌だったら言ってね。もう喋りかけないようにするから。」と言った。そう言うと、彼女は今度はすぐにブンブンと首を横に振った。そして「初めて話してくれたの雨くんだし…雨くんとおしゃべりとかしたいし…だから…そんなこと言わないで……もし雨くんが私のこと嫌いならそっちこそしっかり言ってね。」と言った。僕はまた嬉しくなって「そんなことないよ!」と大きな声で言ってしまった。恥ずかしくて死にそうだった。その中で彼女を見るとにっこり笑っていた。

そして屋上へついた。すると今度は

先ほどまでとは比べものにならないほど

ペラペラと喋った。そして僕はお母さんにも言っていないいじめられて辛いこと、逃げたいことを言った。するとすみずきさんは一言一言真剣に聞いてくれて「一回自分の本当の気持ち、言ってみなよ。そしたらきっと伝わるよ。」などアドバイスをくれて嬉しかった。すると今度はすみずきさんがしゃがみながら「私…本当はね、」と小声で喋りかけたところで「うっ…うう、、」と苦しそうにした。僕はびっくりして「どうしたの?」と聞くが返事はない。うぅぅ…と苦しむ一方で2分ほど僕は背中をさすっていた。すると彼女は楽になったようでまたにっこり笑って「ごめんね。」と言った。そして屋上から降りた。するとまた返事はのろくなった。

でも僕はなんだか仲良く慣れたような気がしてあんまり気にしなかった。

そして3時間目が終わり、4時間目の体育の授業の時彼女は身長150センチほどにも関わらず高飛びを130センチまだ跳んだ。

時間がなかったのでそこまでしかバーをあげなかったがまだまだ行けそうだった。どうやら運動神経はとても良いらしい。僕は心底驚いてとてもすみずきさんのことを尊敬した。そして昼休みになってすみずきさんに図書室に行こうと言われて行こうとしたのだが龍文に呼び止められた。龍文は何かを言おうとしたが、僕の本当の気持ちではすみずきさんと図書室にいきたかったので「ごめんね。今は、図書室に行くから。」と言って走ってすみずきさんと図書室に言った。なんだかとても自分でも驚いてしまって胸がドキドキしていた。きっと後で怒られるだろう。でもまたその時に言い返せばいいんだ。そんな風に考えるようになっていた。自分が生まれ変わったような気持ちになった。そしてすみずきさんと話をしたりした。すみずきさんは「さっきはすごかったね」とか僕を褒めてくれて返事はのろいけど良い人なんだなって思った。僕とすみずきさんは昼休みが終わる7分ほど前に教室に着いた。そうすると僕は龍文に話かけられた。怒られると思ったら違った。龍文はこう言った。「もう大丈夫だ。さっきのことは気にしてねぇからよ。お前、朝した二つ目の約束、覚えてるよなぁ。よろしく。先生は体育館裏でお前のこと待ってるって。」僕は驚いた。なんで先生は僕がやったってことを知ってるの!?しかもデマなのに!僕は「どうして先生が知ってるの?」と、龍文に聞いた。すると、「もちろん俺が先生に伝えたからだろ。」本当に嫌な奴だと思った。でももう先生にチクられてるなら逃げようがない。最悪だ。

そしてその放課後が来てしまったー…。


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