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本当はね

作者: 佐伯千影

高校時代、確かに一番仲の良い友達だった。

君は就職をして、私は進学した。

時間軸がずれていく音をゆっくりと聞いていたのだけど、流されるままに聞こえない振りをした。

高校一年からの四人組で、そのうちの三人が就職をして、残りの一人が私だった。

そもそも、商業高校に通っておいて進学するなんて自分でも予想外だったのだけど、多分周りも同じ気持ちだったのだろう。と、今だから思う。

誰にも相談せずに、進学を決めた事で、今思えば、もしかしたら裏切ったようなそんな気持ちにさせてたのかもしれない。

端的に言うと、当時の私は勉強が面白くて仕方がなかった。友達と遊ぶよりもずっと。

だからと言って、高校の三年間常に隣に居た君の事を好きな事は変わりなかったし、休日に会わなくたって君が友達なのは変わらないと思っていた。

卒業を界に、毎日当然の様に会っていた日常から、予定を合わせないと会えない現実に切り替わった。


君の友達は、まず、幼馴染がいて、同じ就職組の高校の友達がいて、小中学校の友達がいて、多分就職先の同期がいて、ここら辺で私の存在が浮かぶくらいの、そんな格付けがされていたように思う。


私も私で、進学先で切磋琢磨出来る友人達に出逢えた。

ほとんど会わなかった私達だけど、仲良し四人組で誕生日会だけは続けていたので、そんなに時間差もなく近況を知ることが出来た。

それ以上は求めなかった。

そうこうしてる内に私も就職する事になった。

少し遅れたけど、なんとなく、仲間入り出来た気がした。

私は上京して、唯一残っていた誕生日会の参加も出来なくなった。

私以外の三人が家庭に入った。


もうね、自業自得だと思うんだ、君が子供を理由に結婚式に参加しない事は。

君が好きなのに、君に好かれようとしなかった私の。


ただ、それでも、来て欲しかったなぁ。


好きな君に来て欲しかった。

友達って、大事です。

今更ですけど、改めて。


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