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気の身気ままに  作者: 猫の手
1章 出会い
2/16

2.生活

12/23 書き直しました。

洞窟の中で出会ったドラゴンは全身が白銀色に染まっている。近づくと鱗一枚一枚に光沢があり自分の顔が映りそうだ。日の光があたると反射して少し眩しい。

鱗があるので体は硬いかと思うが、この鱗は意外にも柔らかい。どうやら筋肉と同調しているらしく体を動かすと鱗は硬くなるようだ。どういう原理なのだろう。


「意外と目覚めが良いな・・・」


昨日ドラゴンと出会ってから翌日。少し日が昇り始めたのを確認する。少し早く目が覚めてしまった。


「クァー・・・」

「おはよう、クー」


俺に遅れてクーも起床した。クーとはこのドラゴンの名前だ。

毎回ドラゴンと呼ぶのも変であり、一緒に生活するのだからと名前をつけたのだ。名前だが、やけに高い泣き声と寝る時の寝息だろうかくーくーと鳴くところから取った。

そのクーだが、やや寝ぼけて違う方向を向いて声を出している。俺がそこにいると思っているようだ。

それに苦笑しつつクーを誘導しながら水場へと向かう。向かうは先日の川、では無く洞窟の更に奥だ。


「まさか洞窟の中に湖があるとはなぁ」


奥はぽっかりと空いた様に大きな空洞が出来ていた。その真ん中に大きな湖がある。

地下水が流れているのか常に冷たく綺麗な水がどこからか流れ込み、どこかへ流れ出ているようだ。

広場から枝分かれするように小さな窪みがあり、その一つを食料庫として使う事にしている。


「それにしても明るいな」


食料庫から持ってきた果物を齧りながら洞窟内を見渡した。そう明るいのである。

原因は判明している。結晶のようなものが常に光り輝いているのだ。この結晶はかなりの数が洞窟内の岩肌から飛び出るように生えており、昼でも夜でも発光している。


朝食を終え、一つの窪みへと向かった。ここは昨日の時点で気づいており、確認は明日にしようと思いそのままにしてあった。

そこにはひっそりと机と椅子があった。どうやら人が住んでいたらしく、本が数冊あり地面には散らばった紙片があった。


「まだ奥があるのか・・・」


まだ奥が続いているのを確認し進んでみる。そこには見たことがある剣や盾が並んでいた。

長い間置かれていたのか埃を被り、剣を立てかける支えのようなものが壊れて地面に何本か倒れているものもある。


「ここまで放置されているんだ。ここに住んでいた人はもういないんだろうな」


先ほどの一つ手前の部屋に戻り本を一つ手にした。

中身は見たことの無い文字で書かれており、途中には陣の書かれている絵があった。


「・・・もしかして魔方陣か?」


ドラゴンがいるぐらいだから魔法があってもおかしくは無い。ただ文字が読めない為、使い方が分からないのだが。


「キュー」

「ん?随分と大きいのを取ってきたね」


本を読んでいるところをクーがやってきた。足には何やら動物が捕まっている。

外の森は予想通りと言うか、やはり危険な生き物がいた。それも沢山。クーはこの生き物を狩っては食べている。ただこの生き物はどれも見たことが無い。それに俺を見つけると襲ってくる。警戒など一切せずにだ。

この生き物だが、よくこの洞窟に近づいてくることが多い。ただクーがいるので入る事は早々無い。それでも入ってくるとクーが迎撃する。

倒された生き物はそのままクーの餌となる。


「やっぱり結晶に反応してるのかな」


憶測だが、この洞窟内の結晶に反応している気がする。謎が増えると気になってしまう。


「これも調べようが無いから置いておくしか無いんだけどな」


本を棚に戻し、部屋を出る。今日は身の回りを整えようと考えていた。

まずは机のあった部屋を改装する事にした。クーにお願いし、部屋内を少し広げる。

その間に利用できそうな家具を探し、埃を被っているものは一度外に持って行き落として行った。


「重いなこれ、見た目はそんなでも無いのに」


ある物を外に運び出そうとして、あまりの重さにどうしようか考えてしまった。

それは武器の一つハルバートだ。斧と槍が合わさった武器なのだが、黒一色で統一され赤い刺繍が全体に施されている。

これを持っていこうとしたがビクともしない程重い。仕方ないので部屋の中で埃を落とし磨いて行く。


太陽が真上に差した辺りでようやく掃除を終えた。ベッドがあったのだが、クッション部分が壊れており直す事ができなかったのが残念だ。

何か代用できるものがあれば良いのだけど、それまではクーの体が布団代わりになりそうだ。クーの鱗は平常時なら柔らかい。羽毛とまではいかないが寝るのに丁度良く暖かいのだ。


「さて、これはどうしたものかな」


掃除を終えたところであるものに気がついた。それは地面に描かれている陣だ。土埃が積もっていたせいで気がつかなかった。

正直、何もおこらなくて良かったと思っている。何度もこの陣の上を行ったり来たりしていた為、あとから見つけた時血の気が引いてしまった。


「まぁ体に異常らしきものが無いから大丈夫だとは思うけど」


再度棚に合った本を取り出し中を確認して行く。この魔方陣に近いものがあれば何か分かるかもと思ったからだ。


・・・・・・

・・・・

・・


「うん、試してみるか」


調べて行く内に少しだけ分かった事がある。これは錬金術をする為の陣と言うこと。その連金をするのに素材が必要なこと。そして連金を行う為には自身の魔力が必要だろうと言う事だ。

だろうと言ったのは結局本の文字を読めなかった事と、絵でかかれている部分からの推測だ。連金に使う鉱石は部屋内に残っている。それを適当にいくつか用意し陣の上に置いた。


「あとは魔力を使うのだろうけど、どうやって使うんだ?」


再度本を読んでみるが分からない。それならと自分の知識にある魔法を使うイメージでやってみる事にした。

両手を陣の淵に置き、頭の中で魔力を流し込むイメージを作った。すると。


「お、おお!」


体から何かが引っ張られて行くのを感じる。それと同時に陣が光り輝きだし真ん中に置いた素材が別の物に変わった。

そこには小刀のような歪な形のものが出来ていた。


「これ作るイメージも必要だったんじゃないか・・・それは良いけど、疲れたなぁ」


何かが体から奪われたような感じがする。恐らく魔力を使ったからだろう。この様子だと連続で作成するのは無理だろう。


「・・・そうだあの結晶」


そこで洞窟内の結晶を思い出した。もしかすると結晶の光は魔力が放っているのでは無いか。そんな事を思いついたからだ。

いくつか取ってきて念の為に魔力が回復したのを確認してから作成を始める。どうも使った魔力は自然と回復するらしい。少し休むと疲れが無くなった。


「今度はうまく行ったな」


目の前の形の整った小刀に満足する。予想は当たりだった。洞窟内の結晶は魔力を含んでおり、それも結構な量が含まれているようだ。

量については結晶一つで何度も連金が出来た事から推測した。


「魔力を持った結晶、魔結晶と呼ぶか。それなら外にいる生き物は魔獣と言ったところか」


何となく思いついた仮名だが呼びやすいから良いかと思った。


「それにしても、奥の部屋にあった武器や防具。あれらも多分作られたものだよな・・・」


もしそうだとすると何の為に作ったか、どうして放置されているのか。


「疑問が尽きない事だらけだが、調べる方法が無いしなぁ」


本の文字が読めれば手掛かりが掴めそうではある。そう思いつつ、出来た小刀を片手に部屋を後にした。

ここまでお読み頂き有難う御座います。

感想・誤字脱字受け付けております。

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