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戯れは奇想の跡  作者: 同心円
3/5

"Talking to Myself"

 畑野爐も大概だけれど、篝火守時も大概だよね。とボクは呟いた。いわゆる独り言だ。

 もちろん、手に入れた情報は何よりの武器だし、ジャーナリストなら情報こそが命くらいの気構えで活動するのも間違いではないと思う。が、たかが噂にぐるぐる振り回されるのは愚かだよ。

 彼らはもっと「入ってこない情報」の価値を知るべきだ。

 事件の報道の内容はちゃんと理解しているのだろうか。内容を記憶するだけじゃ役に立たない。簡単にまとめて暗記した程度で理解したと思い込んでいてはダメだ。

 ボクは多少なりとも彼に期待しているので、やはり自分で気づいて欲しい。

 畑野爐は……論外だ。記憶力皆無、短絡思考、唯一使えるのは若干鋭い第六感だけ。囮作戦とか言って犯人に襲われれば多少は頭を使うようになるかもしれない。人生の教訓の大半は自分や周りの失敗だからね。

 あの二人がボクの思考を覗けたなら、きっとこの事件に首を突っ込んだりしないだろうに。

 学生寮の自分の部屋で、課題をたんたんとこなしながら、ボクの独り言はJ会の悪口へとシフトする。

 あの二人の先輩とやらに会ったことが一度だけある。美男子と美少女と小人。小人は背が低いことを除けば誠実そうで真面目そうないい部長だった。

 だけどあとの二人は……。

 制服のポケットに入れっぱなしだったケータイが鳴った。メール着信。女性歌手は大半嫌いだけれど、カーペンターズは好きだ。小学校の頃から聞いているので歌声が染み付いているのかも知れない。

 メールは恵さんからだった。文面を見て納得する。

 ボクは一言、ほうっておいてください、と打って返信した。

"Talking to Myself"

いわゆる独り言

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