表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/37

第13話 『再訪の街テルム、壊れる鑑定具、そして白金貨の価値』

いつもたくさんの応援、心から感謝申し上げます!


皆様のおかげで、この物語はどんどん面白くなっていきます!


さて、前回ついに爆誕した、エリクサー級の霊薬『星光のジャーキー』。


そのとんでもない代物を手に、カオルとエリアーナは再び街テルムへと向かいます。


目的は、商人ギルドマスター・ドノバンとの再会。


果たして、現代知識と異世界チートが融合した奇跡の産物を前に、百戦錬磨のギルドマスターはどんな反応を見せるのか……?


衝撃に備えて、お読みください!

 瘴気獣との戦いから数日。森はすっかりと平穏を取り戻していた。


 エリアーナも、俺が作った『星光のジャーキー』のおかげで、以前よりもずっと健康的に、そして魔力に満ち溢れているようだった。


「よし、行こうか。ドノバン様に、挨拶しに」


「はい、カオル様!」


 エリアーナは、もう街へ行くことに何の不安も抱いていない。彼女の瞳は、未来への期待に輝いていた。


 俺は、彼女の肩に、試作品としてなめした鹿革のポンチョをかけてやる。


「ごめんな。約束のマントは、もうちょっと待っててくれ。最高の毛皮だから、最高の道具を揃えてから作りたいんだ」


「いいえ!これでも十分すぎるくらい、温かいです!」


 嬉しそうに微笑む彼女を見て、俺も自然と笑みがこぼれた。


 街テルムの門に到着すると、以前とは衛兵の対応が全く違った。


 俺がドノバン様から貰ったギルドの準登録証を見せた瞬間、衛兵たちは背筋を伸ばし、敬礼までして俺たちを通してくれたのだ。


「どうぞ、お通りください!カオル様!」


「……すごい効力ですね、あの札」


 エリアーナが、こっそりと耳打ちしてくる。どうやら、この街で商人ギルドマスターの威光は絶対的なようだ。


 俺たちは、まっすぐ商人ギルドへと向かった。


 受付の女性は最初、森の民といった風体の俺たちを見て訝しげな顔をしたが、俺が「ドノバン様との約束だ」と言って登録証を見せると、顔色を真っ青にして奥へとすっ飛んでいった。


 すぐに、前回と同じ豪華な応接室に通される。


 ほどなくして、ドノバン様が満面の笑みで部屋に入ってきた。


「おお、カオル君!エリアーナ嬢も!よく来てくれた!君たちが来てくれるのを、首を長くして待っておったぞ!」


「ご無沙汰しております、ドノバン様。実は、いくつか新しい燻製ができましたので、ご意見を伺えればと」


 俺の言葉に、ドノバン様の目が商人のそれに変わる。


「ほう!それは楽しみだ!早速、見せてもらおうか!」


「まずはこちらを」


 俺は、まず肩慣らしとして『浄化された極上獣肉』で作った、ただの燻製ジャーキーを差し出した。


 ドノバン様はそれを一切れ口に放り込むと、目を見開いて固まった。


「……う、美味い……!なんだこの肉は!?雑味が一切なく、純粋な旨味の塊だ!前の魚も絶品だったが、これはそれを遥かに超えるぞ!これだけでも、貴族相手に金貨で取引できる代物だ!」


「お口に合ったようで何よりです」


 俺はドノバン様の反応に満足しつつ、本命を取り出した。


 小さな革袋から、一枚の『星光のジャーキー』を、そっとテーブルの上に置く。


 自ら淡い光を放つ、琥珀色のそれを見た瞬間、部屋の空気が変わった。


 ドノバン様の顔から、笑みが消える。


「……カオル君。これは……一体……?」


「まあ、栄養補助食品、みたいなものです。疲労回復に効きまして」


 俺の暢気な説明を、ドノバン様は聞いていなかった。彼は震える手で、鑑定用の魔法具――レンズのような水晶を取り出すと、ジャーキーにかざした。


 パリンッ!!!!


 水晶のレンズは、ジャーキーの魔力に耐えきれず、甲高い音を立てて砕け散った。


「か、鑑定不能だと……!?馬鹿な!この『真実の水晶』が計測できないほどの魔力量……!?」


 ドノバン様の額に、脂汗が浮かぶ。


 彼はゴクリと喉を鳴らすと、覚悟を決めたように言った。


「……カオル君。その……ほんの欠片でいい。味見を、させてもらえんか?」


「ええ、どうぞ」


 俺がナイフで米粒ほどの大きさに切り分けたそれを、ドノバン様は震える指でつまみ、口に運んだ。


 次の瞬間。


 ドノバン様の全身が、黄金の光に包まれた。


「おお……おおおぉぉぉっ!!力が……!力がみなぎる……!長年の肩こりが……腰痛が……消えていく……!?」


 明らかに若返っていくギルドマスターを前に、俺とエリアーナは少しだけ引いていた。


 光が収まった時、ドノバン様はぜえぜえと息を荒げながら、しかし十歳は若返ったような顔で、俺に詰め寄ってきた。


「君はッ!とんでもないものを創り出したッ!これは栄養補助食品などではない!伝説に謳われる不老不死の霊薬、『エリクサー』そのものではないかッ!!」


 その剣幕に、さすがの俺も少し驚く。


「カオル君、頼む!それを、それをギルドに卸してはくれまいか!?金は……そうだ、白金貨プラチナコイン10枚!いや、20枚出そう!これ一枚で、小国が一つ買えるぞ!」


「は、白金貨……」


 エリアーナが、聞いたこともない単位に目を白黒させている。


 俺は、ここで冷静に告げた。


「すみません、ドノバン様。これは、そう簡単に作れるものじゃないんです。材料が、奇跡的に手に入っただけで」


「ぬぅ……そうか、そうだろうな……。ならば!」


 ドノバン様は、一つの提案を持ちかけてきた。


 この『星光のジャーキー』は、いざという時の切り札として、ギルドが責任を持って預かり、管理する。その代わり、俺――カオルの『燻製工房』を、商人ギルドが全面的にバックアップする、というものだった。


 具体的には、


 一、カオルの工房をギルドの特級取引先として認定。


 二、カオルが必要とする物資は、ギルドが責任を持って調達する。


 三、テルムの街に、カオル専用の倉庫兼販売所を提供する。


 四、ギルドの名において、工房の安全を保障する。


 五、活動資金として、まず白金貨5枚を前金で支払う。


 あまりにも、破格すぎる条件だった。


「……分かりました。そのお話、お受けします」


 俺が頷くと、ドノ-バン様は心の底から嬉しそうに笑った。


 こうして、俺は辺境の森の燻製好きから、テルムの商人ギルドが後ろ盾となる『特級職人』へと、その立場を大きく変えることになった。


 手にした白金貨の重みを感じながら、俺は思う。


 俺のスローライフ、一体どこへ向かっていくんだろうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


やりました……カオルの燻製、ついに「国が買える」レベルの価値が付きました(笑)。


ドノバン様のリアクション、そして鑑定具が砕け散る王道展開、楽しんでいただけましたでしょうか?


ついに商人ギルドという最強の後ろ盾と、莫大な資金、そして街の拠点まで手に入れたカオルとエリアーナ。


これで、工房の設備も、エリアーナのマント作りも、一気に進展しそうです!


次回、手に入れた大金で、二人は初めての「お買い物」へ!


そして、街に与えられた拠点は、一体どんな場所なのか!?


スローライフが、どんどん豪華になっていきます!


「インフレが止まらねぇw」


「ドノバン様、最高のリアクション芸人」


「白金貨5枚!?もう働かなくていいのでは……」


と、衝撃を受けていただけましたら、ぜひブックマークと☆☆☆☆☆の評価で、億万長者(?)になったカオルの今後を応援してください!


よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ