悪阻は病気じゃないけど体調不良には変わりない、という話から抜粋してみた。
《悪阻》と聞いて思い浮かぶモノと言ったら、なんだろう。
やっぱり多いのは、お手洗いと延々お友達状態で吐き戻してるイメージが強い《吐き悪阻》だろうか。
実際そのイメージ通りで、口に物を入れただけで凶悪な吐気に襲われるだけでなく、人によっては胃の中が空になっていても吐き戻したくて、酷いと喉が荒れて吐血する場合もあるそうだ。
この《悪阻》、本当に十人十色の千差万別な症状があって、数種類が同時に起きる人もいる。
毎回の検診では何も問題なく順調とはいえ、お腹の中でチビらぎの成長が少しずつ始まったと同時に、悪阻の症状が出るようになってきた。
如月に起きた症状は主に3つで、《食べ悪阻》《眠り悪阻》《匂い悪阻》。
その中の一つである《眠り悪阻》は、とにかく眠くなる。
いくら寝ても、しっかり寝ていても、とにかく眠くなる。起きてると気持ち悪くなる。
家事をやりたくても、趣味をやりたくても、何をしたくてもそれが出来ないくらい本当に眠くて仕方ない。
作業中だろうと食事中だろうとお構いなしに睡魔が襲ってくるので、仮眠をとって落ち着かせる他にない。
人によっては《吐き悪阻》と《食べ悪阻》を併発という、食べるも地獄・食べずも地獄、な最悪コンボが発生する場合もあるし、落ち着くのが早い人もいれば妊娠中はずっと続く人もいる。
一回落ち着いても妊娠後期に復活してきたりすることも。
「悪阻は病気じゃないから大丈夫」
男性でそう言った言葉を発する人もいなくはないかもしれない。
私は比較的軽い症状で済んでいた方だと思うが、それでも発症しているときは別に楽ではなかったし、確かに病気ではないけど体調不良には変わりない。
悪阻だからと甘く見ていると、重症化して母子ともに命の危険に晒すこともある。
実際そういった症例もあるので、この先で誰かに経験談を口頭で語る時があるようであれば、相手に軽々しく言葉をかけるようなことはしたくないな、と思った経験だった。