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1 運命の出会い

小さい頃から、声に出すことが恥ずかしかった。

自分の発言が、誰かに受け入れられことはなかった。

何を隠そう、自分で自分の声を聞いていても、不格好に鳴り響く。

だが、どうだろう。

いまは、こうして、花と木に唄を歌い、世界を飛び回りコンサートを開催し謳歌している。

そう、私の転生した世界では、天性の転生だった。


小説で転生を書くのが当然であるように、この世界でも転生が当たり前になっていた。

「綺麗な歌声だな」

「ですねえ、本当に綺麗な歌声ですよ」

「花も喜んでるよ」

「喜んでいるのは木じゃないですかね?」

「……そうとも言う」

私は木に向かって歌っている。そして、私が歌っていると、人々は集まってきてくれる。

私の歌を聴いてくれるのだ。

私はこの異世界にきて、幸せだ。

転生して良かったと心から思っている。

……だが、そんな私でも、一つだけ不満がある。

「で、この綺麗な歌声の持ち主はどこにいるんだい?」

「ですよねぇ、どうしても見つけられないんですよねぇ」

そう。私は、自分の声を自分で聴くことができないのだ。

転生してからずっと、自分の声を聴いていない。

いくら転生して、天性の天声でも、自分が楽しめなかったら、それは転生する意味があるのだろうか?

そして、私が転生先で、持っている情報は二つだけだった。

一つは、綺麗な声で、遠くまで響き渡るように唄を歌うこと。

もう一つは、花と木に歌を歌うことだけだ。

きっと神様が適当に決めたのだろう。

そんな私だが、転生した先では、私は自由に世界を謳歌している。

こんな素敵なことない。

私の人生は最高だ!

「私って誰だろう」

「さあ?」

木が答えるわけもないか。

いつか、私の声が人に届くことを祈っているよ。

花と木に歌を謳って欲しいという依頼が来た。

私が転生して、1日ほど経った頃、この世界で一瞬にして私の歌は広り

「綺麗な歌声の持ち主にお願いしたいのです」そんな依頼が2日目にきた。

それからも依頼は来続け、私は毎日花と木に歌い続けた。

神は世界を7日で作ったが、わたしも世界を歌で7日かけて作れるだろう。

だから、7日後には、おかげで、コンサートが満席になった。

私は幸せだった。

転生した世界で毎日楽しく歌い、人々が集まるこのコンサート会場の雰囲気が好きでたまらなかった。

そしてある日、私がいつものように歌っていると……

「あなたが噂の花の歌声の持ち主ですね」

「そうですけど」

突然、私に話しかけてきたのは、白いローブを着た女性だった。

嫁にするには、これほどふさわしい人はいないほど美しかった。

「私は、このコンサートの主催者です」

「そうですか」

「私は、あなたの歌声をずっと聞いていました。そして、あなたの歌声は、私の理想とする歌声でした。だからお願いがあります」

「なんですか?」

「私と結婚していただけませんか?」

「はい?」

突然すぎて理解ができなかった。

この綺麗な女性は何を言っているんだ?

「あの……結婚とはどういうことですか?」と私が言うと、彼女はこう答えた。

「私と結婚してください!」

と。そして、私の人生は、180度変わるのであった。

「私と結婚してください!」

美しい女性が突然そんなことを言ったのだ。

私は何が何だかわからなかった。

「え?結婚?意味が分からないんですけど……」

私がそう言うと、彼女は私にこんな話をしたのだった。

「あなたは一週間ほど前からこのコンサートで歌を歌っていますよね?」と彼女が言うと、私はうなずいた。そして彼女が続けて言う。

「あなたを見ていましたが……すごく綺麗な歌声です」と彼女。そして続けて言う



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