表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モンスターテイマー 〜リョーガと愉快な仲間たち〜  作者: 紫龍院 飛鳥
第三章 リョーガとドラゴン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/148

第二十一話 リョーガと竜の谷


…東大陸から戻って数週間後、また再びアルカイルさんから呼び出しが来た。


「やぁ、ご機嫌ようリョーガ君」

「どうも、また総ギルド長直々に呼び出しとは…また仕事の依頼ですか?」

「うむ、察しがいいな…正にその通りだよ、今回君達に任せたい仕事はこれだ」


と、引き出しから一枚の依頼書を取り出す


「『竜の谷の調査』…ん?竜の谷?」

「竜の谷とは謂わばドラゴン達の住処だ、そこの調査を依頼したい」

「なるほど、具体的に何を調べればいい?」

「主なところで言うとドラゴン達の生態調査、といったところだ」

「分かりました、この仕事引き受けましょう」

「よろしく頼む」



・・・・・



竜の谷は西大陸の中心辺りに位置する大きな谷、周辺にいるモンスターもかなり高レベルなもので並の冒険者では立ち入ることはまず不可能であろう。


「ここを越えるともうすぐ竜の谷だな」

「竜の谷…どんな強いドラゴンがいるんすかね〜?ワクワク!」


強いドラゴンに会えると思い、ワクワクと目を輝かせるミーニャ


「ご主人様はドラゴンと戦ったことあるんですぷよ?」

「あぁ、前に一度だけな…あん時は死ぬかと思ったぜ」

「へい、レッサードラゴンを倒すはずの任務のはずがまさかドラゴンに進化するなんて思いもよらなかったでやんす」

「へぇ、皆はんお強いんでありんすなぁ」

「そうだぷよたん、竜の谷に着く前にドラゴンのことで知ってること教えてくれないか?」

「お任せぷよ!」


…ドラゴンとは、この世界の中でも指折りの強さを誇る凶悪なモンスターであり、その強さは下位種(レッサードラゴン)でもBランク相当、上位種のものでA〜Sランク相当に該当する

その強さは計り知れず、まず魔術による攻撃はほとんど効かない…更には鉄よりも硬い鱗のおかげで防御力もかなりのもの、それは上位種であればあるほど強靭な肉体や鱗を持つという。

稀にドラゴンには魔術属性と同じく『属性』持ちのレアな個体も存在しており、現在判明しているのは…火の力を操ると言われている『フレイムドラゴン』、このドラゴンは蛇のような長い体で翼を持たず神通力で宙に浮く所謂『龍』のような姿をしている。

それと水の力を持つと言われている『アクアドラゴン』、このドラゴンは主に水中で暮らしている為魚に近い姿をしている。

次に地の力を持つ『アースドラゴン』、このドラゴンはドラゴンの中で唯一空が飛べず、その代わり強靭な足腰を持ち足がとても速い、更に硬い鱗を持ちドラゴンの中でもトップクラスの防御力を持っていると言われている。

最後に風と雷の力を持つ『ストームドラゴン』、姿自体はスタンダードなドラゴンと一緒だが、その強さはドラゴンの中でもトップクラス、一説では天候をも自在に操り嵐を呼ぶことができるらしい、故にストームドラゴンはドラゴンの中でも最も恐れられている。


「…と、まぁ僕が知ってることは以上ですぷよ、参考になりそうぷよ?」

「あぁ、よく分かった…ありがとう」

「ストームドラゴン…!ドラゴン最強!ふぉぉぉ!!」

「おい、ミーニャ…まさか戦ってみたいなんて言うんじゃねぇだろうな?」

「もちろんっす!ウチワクワクするっす!」


全くコイツと来たら、どこぞの地球育ちの宇宙最強の戦闘民族じゃねぇんだから少しは落ち着けよな…


「ほんに、ミーニャはんは戦うのがお好きなんでありんすなぁ」

「うぃっす!ウチ、少しでも強い奴と戦って倒して最強になるのが夢なんす!」

「夢?」

「実はウチら『ヤマネコ族』は獣人の中でもかなり弱いって他の種族のみんなからも馬鹿にされてて、だからウチ…ヤマネコ族でも最強になれるってことを証明する為に里を飛び出して強くなろうと思ったんす!」

「素敵な夢でありんすね…リョーガはんといいミーニャはんも素敵な夢をお待ちのようで…」

「へへ、だからウチは何年かかったとしても絶対に叶えてやるっすよ!」

「あちきも、精一杯応援いたしますえ」

「おーい二人ともー!ぐずぐずしてると置いてくぞー!」

「あー!兄ちゃん待ってぇ!」

「ウフフ…」


そして、そろそろ竜の谷へ差し掛かろうとしたその時だった。


「!?」

「ガルルル…」


俺達の目の前に突如、緑色の巨大なドラゴンが立ち塞がった。


「なっ!?」

「こ、これは!?『ストームドラゴン』ですぷよ!?」

「馬鹿な、コイツが最強のドラゴン…だと!?」


『クックックッ…愚かなる人間よ』


「し、喋ったでやんす!?」

「あれまぁ!」


『愚かなる人間よ、この先を通りたくばこの儂を倒してみせよ!』


「なるほど、要はお前を倒さないとこの先へは進めないってか…上等だ!お前ら、やるぞ!」

「うぃっす!」

「へい!」

「ガウッ!」

「ぷよ!」

「あい!」


ストームドラゴンと対峙する


「うにゃぁぁぁぁ!!」

「ガァウ!!」


先にミーニャとクリムが攻め込んでいく、しかし二人の攻撃では硬い鱗に傷一つもつけられなかった。


「ぐぅ!硬いっす!」

「ガウゥ…」


「『狐流妖術 炎舞・飛炎輪』!!」

「『特製炸裂弾』!!」


ハナビとゲータも術と狙撃で援護するもこれまた効果はなし


「やはり、効果はありんせんね…」

「厄介でやんすね…」


『そんなものか?なら今度はこちらからいくぞ!』


すると、グルリと回って尻尾を振り回すストームドラゴン


「うわっ!!」


全員勢いよく吹っ飛ばされてしまった。


「くっ!お前達、無事か!?」

「うぃっす…」

「何とか、無事でやんす…」

「クゥン…」

「ぷよぉ…」

「エライ力でありんすなぁ…」


『クックックッ…貴様らの実力はそんなものかぁ!?クァーハッハッハッ!!』


「ナメやがって…」

「兄ちゃん…」

「どうしやしょう旦那、オイラ達の攻撃が全然効かないでやんす!」

「あの鱗…厄介でありんすね」

「ガルルル…」

「!?、ぷよーん!」

「??」

「いいアイデアを思いついたぷよ!」

「おっ?流石は天才スライム…話してみな」

「ぷよ、ちょっと危険ぷよがこの方法なら…」


と、各々念話でぷよたんから作戦を伝えられる


『さぁ、まだやるか!?』


「あぁ、これで終わりだ!『岩石縛り(ロックバインド)』!!」


術でストームドラゴンの手足の自由を封じる


『!?、この程度の小技…』


「『エクス・パワード』!」


更に、全員の筋力を強化させる


「うにゃぁぁぁ!!」

「やぁぁぁぁ!!」


ミーニャとゲータがストームドラゴンの両腕に飛びついていき動かないようにガッチリホールドする。


『くっ!クソ!離せ!』


「離すもんか!」

「よし、次だ!」


『お、己ぇ!』


今度は俺とぷよたんがストームドラゴンの口元に飛び込んで力づくで口を開けさせる。


『!?』


「よし!今だ!ハナビ!クリム!」

「あい!」

「ガウッ!」


クリムがハナビを乗せてジャンプし、ハナビはストームドラゴンの口の中を狙って右手を構える


「『狐流妖術 炎舞・紅蓮放撃』!!」



“ゴォォォ!!”



と、口の中目掛けて火炎放射をぶっ放す


『ぐ、ぐわぁぁぁ!!』


体内に直接炎をぶち込まれ、たまらずその場に倒れ伏せるストームドラゴン


「や、やったか!?」


『クックックッ…クァーハッハッハッ!』


「!?」


何事もなかったかのようにムクリと起き上がったストームドラゴン


「コ、コイツ…まだやる気か!?」


『いやいや、そうではない…まったく無茶苦茶な方法を考えおって、咄嗟に体内を魔力で覆って防がねば死ぬところであったわ!しかし、この儂にこれほどまでに手傷を負わせるとはな…うむ!儂はお主達が気に入ったぞ!お主達を認めようぞ!』


「よ、良かったっす…」

「はへぇ〜、死ぬかと思ったでやんす…」


『いやはや、これほどまでに楽しめたのは実に数十年ぶりよ!礼を言うぞ!クァーハッハッハッ!』


「いや、まぁ…俺達は別に」


『と、申し遅れたのぅ…儂の名は『フウラ』!やがては『嵐竜族』の長となる者である!クァーハッハッハッ!』


「嵐竜族?」


『儂らの種族名である、そうだな…どれ、折角じゃからこっちの姿(・・・・・)も見せてやるとしよう』


「えっ?」


するとその時、ストームドラゴンの体が段々と縮んでいき…やがて人のような形となり、そしてとうとうドラゴンの角と翼を残した人間の女の姿へと変貌した。


「なっ!?お、女!?」

「クァーハッハッハッ!どうだ驚いたか?大方お主ら、喋り口調だけで儂を男だと思っておったようじゃな!実に愉快!クァーハッハッハッ!」


高らかに笑うフウラ、濃い緑色の長い髪を腰まで伸ばし、毛皮でできたほぼ下着のような露出の多い服装、長身でややグラマラスなスタイル…これがあのゴツいドラゴンと同一人物、基 同一ドラゴンとは思えないほどであった。


「お前、一体何者なんだ?」

「ん?儂らは『竜人種』じゃ、高位のドラゴンが人の知恵を得て更に進化を遂げた最上位種なのじゃ!」

「ほぅ、あちき達『妖魔族』と似たようなものでありんすね」

「んー、まぁ理屈としてはそんな感じじゃ!」

「驚いたぷよ、まさかドラゴンの進化の果てがこんな姿になるなんて…興味深いぷよ」

「こりゃ、すごいもん見つけちまったな…」

「たしかに、我々竜人種は亜人種や妖魔族よりも圧倒的に個体数が少ないからのぅ…それだけ竜人種に進化するには狭き門ということよ…」

「ところで、フウラっていったな?実は俺達、竜の谷の調査をしにここまで来たんだ…良かったら竜人種について調べても構わないか?」

「あぁ、良いぞ!好きに調べると良い!」

「ホ、ホントか!?」


随分とあっさりだな、話の分かる奴で助かった…


「何ならお前達を儂ら『嵐竜族』の集落まで案内してやろう!」

「い、いいんすか!?行きたいっす!」

「うむ!集落はこの先へ行ってすぐじゃ!ついて来い!」


…こうして俺達は嵐竜族のフウラについて嵐竜族の集落を目指した。




To be continued…




-----【To days Result】-----



嵐竜族のフウラ  -Drow-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ