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ギニギル村

鳥達と共に起き、夜の獣が起きる頃に休む。

それがこの国・ティーズベル王国の最南端にある絶壁の村・ギニギルの習慣だった。

広大な自然の中に聳え立つ崖の上にあるギニギルは、辺境でありながら『神に最も愛された村』とも呼ばれている。

崖の下にはこの国を縦断する最大の河川・プロッドルゴーデン川があり、町人達はそこから水を調達して生活していた。

プロッドルゴーデン川は『水の神』の加護を強く受けた川とも言われ、非常に水質が良く透明度も高いため、生活水だけでなく飲料水にも利用されている。

『大地の神』の加護によって土壌も良く、農業も盛んだ。

乳牛や食用鳥などの畜産業から、小麦や芋などの穀物をはじめ、畑で実るベリーや樹木に成る果物、根菜などの野菜、珈琲、紅茶、綿花など、様々な農作物が栽培されている。

気候は『天空の神』と『風の神』の加護で安定していて、村人は畑のある場所によって栽培に適した作物を選んで育てていた。

更に『豊穣の神』の加護のおかげかここ十数年は豊作が続き、農地を荒らす魔物の姿もないので、村人の生活も潤っていた。

こうして人々は様々な『神』の存在を讃え、崇め、感謝の祈りを捧げながら暮らしていた。


あらゆる神々を信仰する精神は、ティーズベル王国にとって宗教でもあり文化でもあった。

ギニギル村に限らず、国民は『神々の加護』の恩恵を信じ、感謝の心を奉納する。

神々の加護はその土地や天気など形のないものだけに留まらず、水や木や石といった目に見えるものや、人間も加護を授かることがある。

人間が加護を授かると、女性は『聖女』・男性は『聖者』という、王と同位にして異なる称号を得る。

過去に加護を授かった人間は女性が多く、国民にとっては聖者よりも聖女の方が一般的だ。

そして聖女が次代の王妃になることは建国時代からの慣例になっていた。

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