表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

美容室

 俺はいつも通り学校へ登校し教室に入る。

 すると何人かがこちらを見ている。


 「おはよ。髪切ったんだな」

 「おはよ。まぁな」


 教室に入るとすぐに声をかけられた。


 「その髪、セットするのが前提に切ってあるのにセットしないのか?」

 「そうだったのか?セット俺はできないからな」

 「なら俺がしてやるよ!」


 担任が教室に来るまでの間にセットをしてもらった。



 休み時間になり廊下を歩いているとやたらと視線を感じる。

 今まではこんなことなかったのにと思っていると目の前に凛の姿が見えた。


 「よっ!」


 後ろから凛へ声をかけた。

 こちらに振り向き俺と目が合う。


 「...」

 「どうした?」


 いまだに固まりながらこちらをみている。


 「おーい」

 「先輩...?」


 驚いた表情でそんなことを言われる。


 「先輩ですよ~」 

 「なんで今日はそんなイケメンオーラを纏ってるんですか!?」

 「別にそんなことないと思うけどな」

 「あーーー!好き!!」


 急にそんなことを叫ぶものだから周りにいた人たちがこちらを見ている。


 「いきなりどうした?」

 「先輩が悪いんですよ!」

 「そ、それは悪かったな?」


 とりあえず謝っておく。全くですよと言いたげな顔をしている。

 すると突然自分の髪をいじり始めた。  


 「私も美容室行こうかな?」


 毛先を指でクルクルしながらそう呟いている。


 「先輩は長い髪の子と短い髪の子、どっちが好みですか?」


 チラチラとこちらの様子をうかがいながらそう聞いてくる。


 「俺は長いほうが好きかな」

 「そうですか...やっぱりこのまま伸ばしてみようかな」


 べつに髪を伸ばす伸ばさないは個人の自由だからあまり口出しは出来ないが俺個人の意見を言ってみる。


 「凛は短いほうがかわいさが際立つしそのままの方が俺は好きだけどな」

 「ッ!?そ、そうですか!なら短いままにしておきますね!」


 早口になりながらもうれしそうな顔をしている。

 どうやら正解だったらしい。


 「きょ、今日は機嫌がいいので一緒に帰ってあげてもいいんですよ?」


 モジモジしながらそんなことを言ってくる凛。素直じゃないな、と思いながら口には出さない。


 「はいはい、玄関で待ってるからな」

 「はい!」


 笑顔を咲かせて返事をする凛。

 敵わないなと心の中で思ったのは内緒だ。


「面白い」と感じてくださった方はブックマークと評価投稿をお願い致します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ