名前
初めましての方も前作から読んでくださっている皆様も!
どうも、王花です!
一話一話が短いのでサクサク読んでいただけると思います!
クラスで目立つ人は?と聞かれて名前も出てこない。じゃあ逆にクラスで地味な人は?と聞かれても名前が挙がらない。そんな人間が俺、青井海人。
突然だがここで一つ話をしよう。
たいていの人は好戦的ではないしすぐに怒る性格をしているとは思えない。実際に俺はそうだ。だけど俺は最近怒っていることがある。それは何かって?それはだな...
「せんぱーい!」
後ろから誰か先輩を呼んでいる人がいる。
話が中断されてしまったが俺が怒っている理由は...
「先輩ってば~」
さっきよりも近くで呼ぶ声が聞こえた。
というか俺の真後ろで聞こえた。
「聞いてますか?」
俺の背中から顔だけヒョコっと出してきた。サラサラとした少し赤みがかった茶色い髪が視界に入り、甘くいい香りが鼻孔をくすぐる。背中には程よい二つの膨らみの感触が伝わってくる。
「はいはい、聞いてますよ」
俺が適当に受け流すとその人物は俺の対面に移動してきた。
当然俺の見知った顔である。
「なんだい、後輩ちゃん」
「む、名前で呼んでくれないんですか?」
「俺だって先輩じゃないんだが」
「先輩は先輩じゃないですか~」
「なら後輩は後輩ちゃんだな」
そう言うと彼女は頬を膨らませ目を細め怒ってますの雰囲気を醸し出し反抗を見せてくる後輩ちゃん。
俺は膨らんでいる頬を人差し指でつついた。
頬に含んでいた空気が艶がある唇の間から溢れ出す。
キョトンとした顔でこちらを見ている。
「何しているんですか?」
「つついているんです」
「誰の、何を、ですか?」
「後輩ちゃんの、可愛く見られたいからと薄く化粧をしている柔らかい頬を、です」
「...そういうことは面と向かって女の子に言っちゃいけないんですよ」
そういいながらクルっと俺に対して背を向けてしまった。その瞬間に顔が真っ赤になっているのを俺は見逃してはいなかったが。
「どうしたんだ?」
「ツーン、です」
「自分でそれを言うのはどうかと思うぞ」
「いいんですよ別に!それより先輩は私に何か言うことがあるんじゃないんですか?」
「今日も相変わらずかわいいな」
「ッ!?そ、そういうことじゃないんですよ!!うれしいですけど...」
相変わらず心の声が駄々漏れである。
まぁ、そこもかわいいんだが。
「こっち向けよ、凛」
「はい、先輩!」
彼女は天真爛漫な笑顔で振り返る。
俺が最近怒っていること、それは後輩が可愛すぎることだ。
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今日はもう一話更新します!