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トイレから出られない

作者: TO-RA

これはホラーか、ミステリーか、それともコントなのか?


判断は、読んだ方にお任せします。

「ふー、今日も疲れたあ」



 一人暮らしのアパートの部屋に戻って、思いっきりためいきをつく。

 スーパーで買った牛乳と卵とお豆腐を冷蔵庫に、夕ご飯のおかずのお惣菜をパックのままレンジへ入れる。

 今夜は、ナスのはさみ揚げと冷奴。きざみねぎにごま油をかけてあえるのが、あたし風。


「とりあえず、トイレトイレ」


 バスルームに入って便座に腰かけ、ふーっとまた息を吐く。

 お風呂、どうしよっかなあ。疲れたし、明日は休みだし、たまにはシャワーじゃなくお湯に浸かりたいかなあ。



 閉じたドアの向こうから、コンコン、とノックの音がした。



 あたしは内側からノックを二回返した。入ってますよ、と。







 ――ちょっと待って。


 あたし、一人暮らしなんですけど……。










 どうしよう。


 トイレから出られない。


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