第1話:魔術カーニバル
A・A・Eとアポロン帝国の戦いに巻き込まれてゆく世界。そんな中で中立を保っていたアール王国から戦いは始まる・・・
―城下町―
「やっと着いたぜ。魔術テントはどこだ〜?」
とカールは背伸びをしながら呟いた。
「今何時だ。」
リュミンはそう呟きながら近くにある時計を見て慌てた。そうもうすぐ始まってしまうのだ。
その時アナウンスが流れた。
『さあー今年も魔術大会の時間がやってまいりました。参加する方、観戦する方のどちらも急いで中央広場第三テントの方へ集まって下さい。もう一度繰り返します・・・・・』
「第三テントだって。行こう。」カールはリュミンに話しかけた。
「走る?歩く?」
カールに尋ねた。
「当然走るだろ。」
カールがそう言ったとたん二人は走り出した。魔術サーカスのテント、魔術商店、魔術星占術テントを通り過ぎて行くと噴水のある中央広場にたどり着いた。そこには四つのテントがありその中の一つ第三テントが二人の目的地だった。そこからは歩いてテントに向かう。一番大きなテントにはたくさんの人が集まっていた。
入り口にたどり着いた二人は中に入っていく。中は少し薄暗い。たくさんの人が集まっていて賑やかだった。二人が席に座って少しして司会者が開会を宣言した。
『いよいよ始まりました。魔術大会の時間です。ではまず国王陛下と来賓の方々の紹介です。アール王国第七国王セプテン・アール様。アール王国最高評議会議長イステル・ファント様、アール王国国防部隊隊長エリー・グレイ様、アール王国第一王子リック・アール様、アーミン王国外交大使ゼラー・リー様。これにて来賓の紹介を終えます。続いて国王陛下のお言葉です。』
「私はアール王国第七国王セプテン・アールです。今年我がアール王国は建国150周年を迎えました。今日は記念すべき100回目の魔術カーニバルです。皆さん満足するまでお楽しみください。また魔術大会に参加する方々も全力で頑張ってください。」