タピオカさんのことが……
この日は朝、学校に行ってから提出物をしていた。そして、いつの間にか眠ってしまっていた。
僕は、学校に行っていない2カ月間女子に全く会っていなかった。その時は彼女が欲しいだ、青春したいだ、など思ってなかった。
「僕の人生はやく終わらないかなあ」
とか
「ゲームだけしてたいな」
など、ろくでもないことばかり考えていた。
今でこそ笑い話として話せますが、当時は結構ガチでこんなことを考えてました……。
こんなこと考えるよりしたいことを思い切りしてた方がよかったかも……。
まあ、今の自分があるのもこの時の自分があるからなので……間違いだったとはいえませんが。
僕にはこの時、教育相談室にかわいいなと思う人がいた。タピオカさんだ。別に付き合いたいなんて思っていないけど……。と言うか見てるだけで十分だった。僕が女の子と付き合うのは、無理だ。友達とも話せないのに……。
「ら……、くら……、さくら」
レンゲさんの声が遠くで聞こえた。
「う……。うーん。わっ」
目を開けるとレンゲさんが目の前にいた。僕はびっくりして椅子から転げ落ちそうになった。
「何をそんなに驚いてるの?」
「いや……。家で寝てると思ってたから」
寝てた時に考えてたことは、口が裂けても言えない。
「みんなでトランプしよ」
レンゲさんがまた目をキラキラさせながら言う。
この日も教育相談室にみんな登校していた。もちろんタピオカさんもいた。僕は
「いや、今日はもう帰るよ……」
と言って教育相談室から逃げるように帰った。
今、タピオカさんと遊べるわけないだろ……。




