はい、弁当
朝起きて、学校に登校するために制服に着替えていると、母親から
「そろそろ午後まで学校にいてみたら?。」
と弁当を渡された。
これまでは、1時間目の途中に登校して、4時間目が終わる前に帰宅していた。学校にいるのは、午前中だけだった。しかし、今日は、弁当を渡されてしまったため、6時間目くらいまでいいるしかないだろう…。
「うーん、午後までは長いなぁ。」と思いながら、教育相談室のドアを開ける。
「おはようございます。」
と挨拶をする。二か月前の僕には、考えられない話だ。
「さくらおはよ〜」
と先輩とキリエさんが返してくれる。今日の朝も教育相談室にいるのは、いつものメンバーだけだった。
午前中は、たまっていた提出物を片付けた。まあ、あまり進まなかったけど…。4時間目の途中でいつものごとく元気な声で
「おっはよー」
とレンゲさんが入ってきた。
うーん。クラス入れるんじゃないのかと思うくらい元気だ。まあ、悩みは人それぞれなのだろう。
二カ月ぶりに学校で昼食をとった。味は家で食べるのと変わらなかった。まあ、当たり前か…。
昼食の時、レンゲさんが彼氏を連れてきた。名前は、ミヤ。普通にクラスに入ってるやつだ。僕もミヤと面識があった。中学の時同じクラスだったことがあるのだ。
ミ 「あれ、さくらここにいたんだ。」と言っていきなり隣で弁当を食べだした。
さ 「うん、まだ来たばっかだけどね。」
ミ 「そうか、ここ楽しい?。」
さ 「楽しいよ。」
ミ 「なら良かった。」
ミヤは、勉強もできて、そこそこ運動もできる。その上、優しい。僕の憧れの存在だ。
ミヤが僕の隣に座ったので、レンゲさんが怒っていた。
「ちょっと、私よりさくらがいいの?」
なんか台詞だけ聞くと女の子2人いるみたいだけどさくらは、男です…。
「うーん、そうかも」とミヤが言ってはいけないことを言った。 <パシーン> 次の瞬間、ミヤの右頬にビンタが飛んでいた。
「イッテー、嘘に決まってるじゃん。何も本気で叩かないでも…。」
いや、あれはミヤが悪いよ。ちょっと嫌な雰囲気だったので、逃げるようにして今日は帰った。




