六話 エリスは御者も出来るようだった
短くてすみません。
俺はパーティー登録を済ませたあと、Bランクの依頼を受けることにした。Bランクの依頼には上級魔物の討伐がほとんどだ。
上級魔物はドラゴン種が多い。ワイバーンやヒュドラなどである。他にもキマイラやクラーケンなどの討伐もある。これらは単独討伐が厳しくBランクだけで依頼を受ける場合、5人は必ず必要である。
だが、俺達はSランクがいるので2人で受けることにした。今回受ける依頼はキマイラの討伐で、報酬は金貨3枚だ。
俺はすぐに出発しようとしたが、エリスが討伐場所が遠いから、野宿の準備をしなければいけない、と言ったので俺達は準備が終わり次第出発することにした。
野宿の準備はエリスがしてくれるそうだ。
理由を聞いてみると
「リョウタお金無いんだから、こういう時ぐらい頼ってよ」と言われてしまった。
俺はエリスにお金が無いなんて言ったことはないが、Fランク冒険者は皆お金が無いものなのだろう。本当にその通りなので、俺はエリスを頼ることにした。
俺は一度宿に帰ってきたがするとことがないので、しばらくの間寝ることにした。
俺は疲れていたのかすぐに眠りにつくことが出来た。疲れるようなことはしていないはずなんだけど。俺が寝てしばらくした頃、誰かの声が聞こえてきた。
「······よ、········起きてよ!」
と叫びながら、誰かが俺に腹パンをした。
「うぉ!?」
俺はいきなり殴られたのでおかしな声がでた。俺を殴ったのはエリスだった。
「なんで殴ったんだ?」
「起きないからよ!」
理不尽である。まあ、それは置いておいて、俺はエリスが何故俺の部屋にいるのか聞いた。
「なあ、エリス。なんで俺の部屋にいるんだ?」
「野宿の準備が終わったから呼びに来たのよ。そしたら寝てたの。私が頑張って準備してる間に寝るとはいい度胸ね」
「いや、暇だったんだ。仕方がない」
「仕方なく無いわよ!」
またもやエリスの拳が腹に飛んでくる。だが今回は起きているので簡単に交わすことが出来た。
「なんで躱わすの!」
「そりゃ躱すだろ」
エリスが今も尚殴ろうとしてくるが俺は全部躱しながらエリスに話しかける。
「エリス、準備終わったんだったら行こうぜ」
「はぁ、はぁ、わかったわ。移動は馬車ね」
エリスは肩で息をしながら答えてくる。
俺は自分の荷物を持ち宿を出る。空を見てみると日は沈みかけていた。
宿の前には豪華とは言えないが、充分立派な馬車が1台止まっていた。そして俺に続いてエリスが出てきて、すぐに俺に話しかけてきた。
「私たちが今から乗る馬車はこれよ」
エリスは宿の前に止まっている馬車を指しながら言った。
「なあ、御者さんがいないんだが?」
「私が御者よ」
エリスは大きな胸を張りながら答えた。
「エリスが御者か。できるのか?」
「当たり前じゃない」
俺はエリスに御者を出来るかの確認をして、俺は馬車に乗り込んだ。
俺が乗り込んだのを確認するとエリスが馬車を出した。キマイラが生息する場所は片道5時間ほどかかる。
俺はスライムよりはるかに強いキマイラとの戦いを楽しみに思いながら馬車に揺られるのだった───。
誤字や矛盾があれば教えてください。
よければコメントと評価をお願いします。