四十二話 完治のポーションは便利だった
投稿遅くなりました。すみません。
夏休みにはなっているんですが、夏期講習で変わらず学校...。
夏休みとは何だったのか...。
魔王の次に強いという魔族を倒し終えた俺は、1度瑞希達のところに戻ることにした。
まずは...
『千里眼』
これで遠くを見れるようになった。
さて、瑞希はどこかな。俺が元いた場所あたりを、近くにいる魔物を倒しながら探していると、無事に見つかった。
「よし、行くか」
俺は1人そう呟いて、瑞希の方へ向かおうとしたその時ーーー
俺の背中に、衝撃が走った。痛くはなく、傷もついていないだろうが、背中に強い力を加えられたのだ。
「なんだ!?」
俺は驚いて、すぐに後ろに振り返った。
そこには、先程倒したはずの魔族が20体もいた。すべて同じ顔、すべて同じ身長。
正直不気味だ。それよりも、何でこんなにいるんだ?と、俺が考えていると、20体が一斉に話し始めた。
「おい、貴様、今ので倒せたとでも思っていたのか?」
かなりの声量だな。うるさい。
「倒せたと思ったんだけどな」
「人間風情に殺されるわけがないだろう」
そう言って魔族はふはははは、と笑った。
面倒くさいな...。そう言えば、異常的 1に完全消去って言うのがあったな。
あの効果は『物』を完全に消すというものだったはずだ。
もしも、この敵に命がないのなら消せるのではないか?思い立ったらすぐ行動だ。
『完全消去』
魔族に20体を指定して発動させる。
発動した直後、魔族がいた場所に一瞬光が走った。直後、そこには何もいなくなっていた。だが、一体だけはその場に残っていた。
本人が紛れていたとは...。
「お、おい、き、貴様何をした!?」
魔族は今の状況を理解できないのか、口をぱくぱくさせて、驚いている。
「何をしたって、消しただけだが?」
「け、消した...?」
「ああ」
魔族は俺の言葉が理解できないのか、首を傾げている。もう、倒していいよな。
俺は魔族に素早く近づく。
そして、素早く手を動かし、首を切る。
これで、死んだよな。よし、瑞希の所に行くか。
一度後ろを振り返る...何もいない。
大丈夫そうだな。俺はそのまま、瑞希のところに向かった。瑞希は今、救助した人の世話をしている。周りの魔物は大体倒し終えたのだろう。
だが、俺の方にはまだ魔物はいるし、救助出来ていない人もいる。
瑞希のところに行くついでに回収するか。
俺は千里眼で人を探し、救助していく。
瓦礫の下にいる者、魔物に食べられかけている者、色々な人を回収した。
結果、合計で10人を背負って、瑞希の所にたどり着いた。
「涼太、おかえり」
「ただいま」
「まだ、助けれてない人がいたんだ...。助かってよかった」
瑞希は安堵の息をついた。ほんと、助かってよかったよ。
「瑞希、怪我人とかはいるか?」
「うん、大体は私でも治せるぐらいの軽傷なんだけど、骨が折れてたり、腕がなかったりっていう人達がいるの...どうしよう?」
どうしようと言われてもな、俺には何も出来ないしな。
ダンジョンで手に入れた完治のポーションを使ったらなんとかなるだろうけど...。
ん?ポーション?そう言えば、異常的 1にポーションを作るスキルがあった気がするな。
ほんと、異常的 1は万能だな。
確か、このスキルの効果は指定式だったよな。じゃあ、怪我人の様子を見た方がいいな。どんな効果がいるかわからないし。
「瑞希に治せない怪我人を見せてくれないか?」
「分かった...」
瑞希は明らかに暗い。瑞希のせいではないのに、ほんと瑞希は優しいな。
瑞希によって案内された場所には、様々な者がいた。それを見て思った。
(もう、面倒くさいし、完治のポーション作ったら良くない?)
正直、みんな酷すぎるから、完治のポーションでいい気がする。MPも有り余ってるし、作れるだろ。よし、早速作るか。
『ポーション 効果は完治』
スキルを発動させると、俺の目の前に、ポーション瓶が出てきた。出来たっぽいな。
怪我人は15人ぐらいかな。あと14回繰り返すだけか。MPも余裕で足りそうだな。
俺は今作った完治のポーションを瑞希に渡して、もう一度作り始める。
数分後、無事に15本作り終えた。
俺がポーションを作っている様子を見ていた瑞希は、目を白黒させていたが気にしない。
作り終えた15本を怪我人全員に飲ませる。
完治のポーションは初めて使うから、どんな風になるのか期待しながら見ていると、飲んだ瞬間に怪我をしている場所が光り始めて、光が収まる頃には完璧に治っているといった、よくある演出だった。
まあ、こんなもんだよな。でもまあ、便利だからいいか。よし、怪我人の手当は終わったし、何をしようか?
魔物はほとんどいないし、その残っている魔物もエリスが倒してるし、やることが無くなった。
千里眼でも使って、ダンジョン内の様子でも見ようかな。
『千里眼』
そこで俺は有り得ない光景を見た。
ダンジョン内が魔物で埋め尽くされていたのだ。どこを見ても魔物しかいない。
ダンジョンの外に全部出てきたと思っていたが、そういう訳では無いのか。
下の階層はどうなっているだろうか?
二階層、三階層とどんどん下を見ていくが、どこを見ても魔物しかいない。
「やべぇ...」
思わず、声に出してしまうぐらいのやばさだ。5階層はどうなっているのだろうか?
階層主の階層は敵がいないしな。
俺は気になって、5階層を覗いて見た。
そして、すぐに俺はダンジョンへと走り始めた。
そこには冒険者パーティーがいたのだ。
それだけなら、敵がいないのならまだマシだった。もっと言うなら、普通の敵ならば全然マシだった。
だが、現実は最悪の状況となっていた。
冒険者パーティーは階層主の部屋へ入っていたのだ。これだけならば、俺はこんなに焦っていないだろう。
だが、階層主の部屋には、理由はわからないがこの階層にいてはいけない敵、閻魔がいたのだ。
これはやばい、本当に良くない。
冒険者パーティーは閻魔と話しているのか、まだ攻撃されてはいないが、攻撃されれば即死だ。
急がなければ死ぬ、という思いが俺を駆り立て、俺は全力で走ったのだった───。
早く夏休みになってー!
小説書きたいんや!
寝たいんや!