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十話 ギルドへの依頼者は知り合いだった

やっと10話です!長かった(そこまで長くない)。10話と言うことで初の1万文字超をしてみました。

疲れました!お疲れ自分!ありがとう自分!

それとブックマーク登録者数が20人になりました!ありがとうございます!

これからもお願いします!

今回の話は長いですが楽しんでくれると嬉しいです。



ギルド長はギルド長室にいるらしく、俺達はギルド長室まで受付嬢に案内してもらう。

ギルド長室に入ると1人の男性が椅子に座っていた。見た目40代で頬には斬られたような傷跡がある。俺達はその男性に席に座るように進められたので、椅子に座る。男性は俺達が座ったのを確認したあと、自己紹介を始めた。



「私はスイレン王国支部のギルド長、グレイ・スカイトだ。今回君たちを呼んだのは

2つ依頼をしたいからだ。だが、その前に

キマイラ討伐の方から話そう」


「はい、分かりました」


俺は依頼を頼みたいと言われた気がするが、

そんな事ないと信じてキマイラ討伐の話を簡単に説明し始める。



「キマイラが出現する遺跡に入るとスケルトンやゾンビがいました。そして、そいつらを倒しながら進んでいると少し広い部屋に出ました。そこに入るとキマイラが15体いたので撤退しよう思い通ってきた道を見るとキマイラ5体に塞がれていました。そして、2人で協力して何とか20体を倒して帰ってきました」


「キマイラが20体か...。普段なら1体なんだがな」


「そう見たいですね」


「確か、君はFランク冒険者だったよね。

キマイラは倒せたのか?」


「はい、何とかですけど」


俺がギルド長にそう答えるとエリスが睨んできた。俺はエリスを無視して話を始めようとすると言って欲しくないことを言ってきた。



「リョウタは何とかと言っていますが、私がキマイラを5体倒し終える前にリョウタは15体倒していました」


「おい!」


俺はエリスの言葉に驚いた。まさか、俺が15体倒したと言うとは思っていなかったからだ。正直言われたくなかった。なぜかと言うと面倒くさそうだからだ。


俺は低ランクの依頼ばかり受けるのは嫌だが、目立ちすぎてギルドから直接面倒な依頼が来るのも嫌だったからだ。...まあ、Sランクとパーティー組んでいる時点で目立っている気もするが。

ギルド長はエリスの言葉を聞いて目を見開いた。



「エリス殿の話は本当かな?」


ギルド長は怪訝な表情で俺に問いかけてくる。だが、やはり面倒くさそうなので、適当に誤魔化しておく。



「ま、まあ、本当かもしれないし、違うかもしれないですね」


誤魔化すのが下手だが気にしないで欲しい。

語彙力が無いんです。

と言うより、これ誤魔化すというより、曖昧な返事をしただけだよな...。気にしたら負けか。


俺的にはこの返事には一応、出来れば面倒な依頼は受けたくないので、この返事で何とかならないかな?と言う意味があり、この返事に小さな希望を持っていたのだが...、その希望はすぐに消えた。


ギルド長は俺達を案内した受付嬢に話しかけ、ギルドカードを受け取っていた。そして

ギルドカードを見たギルド長は愕然とした表情になった。



「エリス殿が5体倒している間に15体倒したかは分からないとして、リョウタ殿は確実に

15体倒しているな」


俺はそこでギルドカードの機能で、自分の討伐した魔物を記録する機能があることを思い出した。俺はその機能のデメリットを発見したのだった。そしてその機能があるならば、俺が今まで足掻いていたのは無駄だったな、と思い本当の事を話す。



「俺はエリスが5体倒し終える前に15体倒しました」


「そうか...。なぜ本当の事を言わなかったのだ?」


「面倒事に巻き込まれやすくなりそうだな、と」


「なるほど。ところでリョウタ殿のレベルを聞いてもいいかな?」


「52です」


俺はレベル位なら事実を言ってもいいかと思い本当のレベルをいった。



「キマイラ20体倒してそのレベルか...。キマイラ討伐前は?」


俺は本当のことを言うか躊躇った。なぜならLv.7でキマイラを倒すなど普通ではないからだ。俺がどうするか悩んでいると、またもやエリスが言って欲しくないことを言ってきた。



「Lv.7ですよ」


「おい!」


「「Lv.7!?」」


ギルド長と受付嬢の声がハモった。俺は溜息をつきながらエリスが言っていることは正しいと認めた。ギルド長と受付嬢は驚きすぎて、おかしな顔になっていた。30秒程たち

やっとの事でギルド長だけが復活した。



「普通はLv.7でキマイラ討伐など不可能だと思うのだが、エリス殿と本人が言っているから事実なのだろう」


「まあ、変ですよね」


俺は少し面倒くさ気に返事を返す。



「ああ、まあ、変だが、たまにはそういうやつもあるだろう」


「そうですよね」


「いや、ないと思うんだけどね...」


エリスがギルド長の言葉を否定しているが俺は気にしない。ギルド長が言っているのだからたまにはあるという事にしたい。

これ以上は面倒そうだからな。



「まあレベルの件は置いておいて、今回の報酬だな。普通はキマイラは1体しかいないから金貨3枚なのだが、今回は20体討伐したということで2人に金貨60枚ずつ報酬として渡そうと思う」


「え?2人で60枚ではなく、60枚ずつ何ですか?」


「ああそうだが?パーティーで受けた場合、

達成報酬はパーティーメンバー全員に達成報酬と同じ額が渡される。だから今回の場合はそれぞれに金貨60枚なのだ」


「そうだったんですか」


俺はこの情報は始めて聞いた。今回の達成報酬は元々金貨3枚だったので、俺は金貨1枚と銀貨5枚貰えると思っていたのだ。これでも十分だと思っていた。だがまあ、お金が多すぎて困ることもないので、俺はラッキー、と思いながら達成報酬を受け取った。

そして俺に報酬を渡したギルド長が唐突に



「冒険者ランクを上げようと思うのだが」


と言ってきた。俺は正直に言ってあげなくてもいい。

今はエリスがいて適正ランクの高い依頼を受けることも出来るし、ランクをあげる意味が無い。俺はそのことをギルド長に言った。

その言葉を聞いたギルド長は俺の言葉確かにそうかもしれないなっと言っあと、付け足すように話し始めた。



「ランクを上げるとギルドが経営している店の商品ならばサービスすることが出来る。

そのサービスはランクが高ければ高いほど良くなる」


俺はこの話を聞いて、少しいいなと思った。

今回の依頼でかなりお金を手に入れたが、それでもお金が沢山あるとは言えない。今それなりにいい家を買おうとしてもまだ足りないだろう。俺は家が欲しいし、どうせならいい家がいい。そのためにはお金が必要である。

ならば少しでもサービスしてもらっていた方がいいのではないかと思った。

俺は結局ランクを上げてもらう事にした。



「お願いしてもいいでしょうか?」


「ああ、大丈夫だ。冒険者ランクをAまで上げよう」


「え?」


「どうしたんだ?」


「今Aまで上げるって言いました?」


俺は聞き間違えたのかと思い、聞き返す。



「ああ、そうだが?」


「俺、今Fですよ?」


「それがどうかしか?私的にはSランクでもいいんじゃないかと思うがSランクは特別な試験を受けないといけないのでそう簡単には上げれないんだ」


俺は何を言っているのか分からなかった。

一番下から上から4番目のランクまで上げようと言っているのだ。このギルド長はアホなのか、と俺が思っているとエリスが俺に理由を説明してくれた。



「普通は1人でキマイラを15体倒すなんてSランクでも無理なの。それをやったとなれば

Fランクとか関係なく、Aランク位なら簡単になれるってことよ」


「そうなのか」


俺はエリスの言葉で納得して、冒険者ランクをAまで上げてもらうことにした。

受付嬢は冒険者ランクを上げる作業に向かった。話が終わったので俺も受付嬢と一緒に退出しようと、席を立った瞬間ギルド長に止まられた。



「リョウタ殿、最初にも言ったと思うが、2つ依頼したい事がある。聞いてほしい」


「聞き間違えじゃなかったのか...」


俺は誰にも聞こえないぐらいの声で呟いた。

俺はもう一度席に座り、ギルド長の話に耳を傾ける。



「1つ目の依頼だ。このギルドに国から直接依頼が来たんだ。その依頼内容は護衛兼アドバイス役だ。その人物はステータスが高く、この国の騎士団長ですらその人物には勝てないらしい。護衛兼アドバイスをする側が負けるようでは、その人物についていっても意味が無いから、冒険者ギルドの信用できる強い者を護衛兼アドバイス役として付けたいそうだ」


「なんか、面倒くさそうですね」


「まあ、そうだな。だが報酬は高いぞ。護衛兼アドバイス役をする期間は明後日から1週間で、報酬は金貨100枚だ。これもそれぞれ100枚だ」


「すごいですねそれは。で、さっきからその人物としか言ってませんが、それは誰なんですか?」


「それはお楽しみだ。期待していいぞ」


「秘密ですか。エリス、どうする?」


俺はエリスに聞いてみた。俺的には正直面倒そうなので嫌だが、エリスが依頼を受けたいと言うなら俺は受けるつもりだ。



「私は受けていいと思うよ」


「そうか、なら受けるか」


「そうか、ならばエリス殿、リョウタ殿、に頼ませてもらう。ありがとう」


俺はこうして面倒そうな依頼を1つ受けることになった。そして、ギルド長がまた話し始める。



「2つ目の依頼だ。2週間後に各国の冒険者ギルドの代表メンバーが集まって、大会があるのだが、それに参加してほしい」


「それは、俺達に代表メンバーになって大会に出てほしいということですか?」


「ああ、そうだ」


「その大会って何をするんですか?」


「それぞれの冒険者ギルドの代表同士で戦うんだ。それぞれ参加人数は5名以下となっている。もしかすると、2人対5人で戦う可能性もある。これも報酬は出るし、優勝すれば賞金が出る」


「このギルドからは俺達だけしか出ないんですか?」


「まだ、依頼してはいないが5人にするつもりだ」


「そうですか」


俺はこっちの依頼もめんどくさいなと思い、今回もエリスに聞いてみた。


「エリス、どうする?」


「んー、どうしよ?その前に報酬はどれ位ですか?」


「参加するだけで金貨5枚。優勝すれば金貨100枚。これは均等に分配することになっている」


「つまりは5人で出て、優勝すれば金貨20枚ずつと。私は受けてもいいと思うよ。一度他のギルドの人とも戦ってみたいし」


「そうか、じゃあ受けるか」


俺達はこうして面倒そうな依頼2を受けたのだった。


俺達は依頼を受けたあと俺達は監督依頼に関しての説明を聞いた。場所は城の近くにある、ダンジョンで特訓するそうだ。


ダンジョンとは地下に出来ていて、下に行けばいくほど敵は強くなる。

ダンジョンには元々宝があったらしいが、一度回収するとそれで終わりだ。ゲームみたいに何度も宝が出てきたりはしない。だが、魔物は何度も湧くらしい。どのようにして湧くかは分かっていないが、倒しても倒しても出てくるので、鍛えるには丁度いいという訳だ。


メンバーは俺とエリスと秘密の人と国から派遣される護衛が2人だそうだ。秘密の人はかなり重要な人物らしい。俺達は少し不安になったが、ギルド長が相手はあまり気にせず、いつも通りにしていればいいと言っていた、と言ったので少し安心した。そんな事を話していると、受付嬢が戻ってきてギルドカードを俺に渡した。ギルドカードを見るとAランクになっていた。俺達はギルドカードを受け取った後、冒険者ギルドをでた。


俺達は冒険者ギルドを出たあと、買い物に行く。ダンジョンはかなり近いとはいえ、準備するものはある。俺達は馬車を一度預けてきて、飲み物と蝋燭などを購入した。食料に関してはダンジョンの近くに店が沢山あるので買っていく必要は無いのだ。


購入するものが少ないので早くに準備が終わった。エリスは家に帰った。俺はスキルを習得しようと思う。だが、今回取得したいスキルは1人では取得できない。ならばどうやって取得するのかというと、この世界にはスキルを教え商売があり、そこに行けば教えてもらえるかもしれない。かもしれないと言うのは、条件があるからだ。条件とは教える側が持っていないスキルは教えられないということだ。


なぜ教えられないかと言うと、他人に教える時に教える側は『伝受』というスキルを使う。この『伝受』の効果は自分の持っているスキルの取得方法が理解できるようになる、というものだ。だからもし教えて欲しいスキルを教える側が持っていなかったら、教えてもらえないのだ。


ところで、スキルの取得方法は一定以上上達する事じゃなかったのか?と言うツッコミを入れている人もいるかもしれないが、それは一部を除いてである。


例えば、魔法はスキルに無ければ使うことが出来ないのに、火属性魔法の取得条件を一定以上上達する事にすると、使えないのに一定以上上達するという、矛盾が生じるのだ。

だから、魔法などは取得条件が変わってくるのだ。


その取得条件を伝受を持っている人は理解することが出来るのだ。

そして、他人に教えることが出来る。


伝受してくれる店はいくつかあったので、俺はそのうちの一つに入った。

店の中では1人の女性が座っていた。

その女性は身長は160センチほどで、赤髪を腰のあたりまで伸ばして、スタイルは普通ぐらい。そして目も服装も赤色だった。



「スキルを教わりたいんですけど、隠蔽スキルって持ってますか?」


俺が今回取得したいのは言った通り、隠蔽スキルだ。

いつ、誰にステータスを聞かれても大丈夫なように偽のステータスにしておこうと思ったのだ。俺の言葉を聞いた女性は頷きながら返事を返してきた。



「持ってるわよ。隠蔽スキルなら銀貨3枚ね」


「分かりました」


俺はそう言って、銀貨3枚を渡す。

すると女性は椅子から立ち上がって奥の部屋へと入っていき、俺を手招きで呼んでいる。

俺は女性の入っていった部屋に行く。

そこは机と椅子があるだけだった。



「今から隠蔽スキルの取得条件を教えるわね。どっちかというと今回は取得方法ね。自分の魔力で身体全身を覆うだけよ」


「それだけですか?」


「そうよ」


俺は一度確認してから、魔力で全身を覆う。

すると脳内に直接



『スキル 隠蔽 Lv.0を取得しました』


と響いた。俺は入手できたことを確認して、女性にお礼を言って店を出る。

だが、今のままでは意味が無い。

隠蔽スキルとはステータスを隠すものだが、見破られることもある。


それは自分の隠蔽スキルのレベルが相手の鑑定スキルのレベルより低かった時だ。

同レベルだった場合は見られる場所はランダムらしい。

すべて隠せる場合もあれば、すべて見られる場合もあり、幾つか隠せる場合もある。

つまりはレベルを上げなければ隠蔽しても鑑定スキル持ちには意味が無いということだ。


だから俺は今日から寝るまでずっと身体強化を使うことにした。今まではエリスと一緒にいる時は身体強化は使っていなかった。

なぜかと言うと、身体強化を使った状態で一緒に歩いたらエリスがしんどそうだったからだ。だが今日からしばらくは身体強化使い続けるので、エリスには頑張ってもらおう。


俺はそんなことを考えながら宿に向かう。

俺がキマイラ討伐に向かう前に使っていた宿だ。俺が今いる場所から宿までは約5分だ。俺は宿に入り、前と同じ部屋をとった。

そして部屋の扉を開いた頃脳内に直接



『隠蔽がLv.1になりました』


と響いた。俺はその後やることもないので部屋でのんびりくつろいぎ、昼食をとり、またくつろぎ、夕食をとり、水を浴びた。


そして俺が寝る頃には全てのスキルレベルが1以上は上がっていた。隠蔽スキルに関してはLv.4だった。俺は身体強化を解除して寝ることにした。


朝起きて身体強化を発動する。身体強化を常に発動しているので、身体強化が無いと身体が重く感じる。


俺は朝食をとり、荷物をまとめる。荷物をまとめると言っても、荷物はほとんど無い。

まだこの世界に来てからあまり日がたっていないからだ。


俺が宿を出るとそこには既に馬車が止まっていた。そして荷台の方からエリスの声が聞こえてきた。



「リョウタ、遅い」


「いや、遅くないだろ」


俺はそう言って荷台に荷物を入れる。そして

今日も俺が御者をすることになっているので、俺は御者台に座る。そしてダンジョンの方に馬を走らせるのであった。

ダンジョンは馬車で1時間半程度でつくそうだ。


移動中特に面白いことは無かったが、あともう少しでつくという頃に体術以外のスキルレベルが上がった。

スキルは後で確認するとして、俺は隠蔽するのを忘れていたことを思い出した。スキルレベルが上がらなかったら忘れていたところだ。


俺はエリスに見せた時より少し上げたぐらいのステータスにした。説明し忘れていたが、隠蔽スキルは本物のステータスより上に偽装することは出来ない。自分のステータスより低くしなければいけないのだ。

隠蔽後の俺のステータスがこれだ。


山田 涼太


Lv.52


HP 28000

MP 23000

STR 24000

DEF 24500

AGI 23000


これでも充分おかしい気がするがそこは気にしない。隠蔽して数分後ダンジョンに着いた。今から入る訳では無いが、どんな場所なのかの確認をしようと思ったのだ。ダンジョンから500メートルほど離れた場所には店がいくつもあり、かなり賑わっていたのだが、ダンジョンの辺りはほとんど人がいなかった。

いるのはダンジョンの入口あたりの兵士のような人が2人だけだ。俺は疑問に思いエリスに質問してみる。



「いつもこんなに人少ないのか?」


するとエリスは頭を左右に振り否定する。



「いつもはかなり人が多いよ。ダンジョンは結構人気でね。ダンジョンの魔物を倒すと魔石が確立で手に入るのよ。その魔石を売ることでお金が手に入る。しかも魔石は使い道が多いから、欲しい人からしてみれば欲しいのよ。しかも質がよければいいほど高価になる。だからダンジョンに来る人は多いのよ」


「なるほど。魔石って何に使うんだ?」


「一番多いのは魔道具かな」


「そうなのか」


俺はダンジョンって重要なんだなー、と思った。だが今はダンジョンの周りに人がいない。人気のはずなのにダンジョンの入口近くの兵士しかいない。

俺はその事についてエリスに聞いてみたが、わからないと言われたので、兵士に聞いてみることにした。

俺が兵士に近づくと、兵士が手を突き出してきた。



「今日からしばらくはダンジョンは入れないぞ」


なぜ入れないのだろうかと聞いてみると、それは言えないと言われたので俺は兵士に聞くのを諦めて、エリスのところに戻る。



「しばらくダンジョンは入れないんだって」


「え?依頼はどうなるの?」


「さー?どうなるんだろうな。まあ、明日になれば分かるだろ。取り敢えず宿探しに行くか」


俺はそう言って御者台に座る。エリスが荷台に乗ったのを確認して、馬を走らせる。

しばらく馬を走らせ、賑やかな場所に戻ってきた。

俺達はてきとうに宿をとってくつろぐことにした。2時間程くつろいでから昼食を食べに行く。


食堂に行くとエリスが昼食の後に買い物に行こう、と誘ってきたので行くことにした。なんでもダンジョン用の道具はダンジョン付近の店にしかないらしく、それを買いたいらしい。


ダンジョンの道具で一番必要なのはダンジョン用転移石だ。この石はどんな技術で出来ているのかは知らないが、ダンジョンの階層毎にセーブすることができ、一度ダンジョンの外に出てからもう一度始める時にダンジョン用転移石を使うことによって、セーブした階層からスタートすることが出来る。

さらに、ダンジョン用転移石を使えばダンジョン内ならどこからでも、入口に転移することが出来るのだとか。


この話を聞いた時、俺は1つ気になることがあった。ダンジョン用と書いているということは、地上用みたいなのがあるのかという事だ。エリスにその事について聞いてみると


「一応あるけど、かなり高いのよ。しかも移動できる距離が短いらしいの。使ったことないからわからないけど」


と言われた。正確な距離を知りたかったが、わからないと言われてしまった。


もし10キロぐらい転移出来るならかなり便利なのになと思ったが、あまり期待出来なさそうだ。でもお金に余裕が出来たらいつか買ってみようかな、と考えていると買い物が終わったらしく俺を呼んでいた。

エリスが俺の分のダンジョン用転移石を渡してくるのでお金を払い、受け取る。

ダンジョン用転移石の値段は銀貨3枚とかなり安かった。


今日はそれ以降することが無く、宿の部屋でゆっくりとくつろぐだけで終わった。


そして、寝る頃には隠蔽スキル以外のスキルレベルがすべてLv.8になっていた。隠蔽スキルはLv.7になっていた。

俺はそれを見てニヤケながら眠った。


朝起きて、俺は食堂に向かう。食堂には既にエリスがいた。俺はエリスの席の前に座る。その様子を見た宿の従業員が、机に朝食を運んできた。



「エリス、朝起きるの早いな」


「そう?私もさっき起きたばかりよ」


「でも、いつも俺より先に集合場所とかにいるよな」


「まあ、早めの行動を心がけてるからね」


エリスはそう言ってから机の上の朝食を食べ始める。俺もそこで話をやめて朝食を食べる。やはり、この世界の料理は美味しい。


朝食を食べたあとすぐに、馬車に乗りダンジョンに向かう事にした。

集合場所がダンジョンの前なので、早めに行こう、というエリスの考えだ。

今回の御者はエリスだ。


しばらく馬を走らせた後、エリスが着いたと言ったので俺は荷台にから降りる。

降りるとそこには鎧を付けた騎士2人と



───瑞希がいた。



「え?」


俺は思わず声が出た。するとその声が聞こえたのか、瑞希が俺の方を向く。



「涼太?涼太だ!」


瑞希はそう叫びながら、俺の方に駆け寄ってくる。俺は何故ここに瑞希がいるのかが分からず、質問する。



「な、なんで、こんなところに瑞希がいるんだ?」


「なんでって、ダンジョンで鍛えるためだよ?」


「そうなのか」


「そっちこそなんで、こんな所にいるの?」


「ギルドからの依頼でな、秘密の人の監督役をしてほしいって言われたんだ。エリスと」


俺はそう言いながらエリスを指さす。指されたエリスは、これどういう状況?みたいな顔で俺を見ている。俺の言葉を聞いた瑞希は少し不思議な顔をしながら口を開いた。



「秘密の人って言うのはよく分からないけど、ギルドに監督依頼を出したのは私だよ」


「え?」


「依頼報酬が金貨100枚のやつでしょ?」


「うん、そうだが」


「それ私が依頼したの」


俺は一度頭を整理する。

依頼を出したのは瑞希で、多分瑞希がダンジョンに潜るからダンジョンはしばらく封鎖、しかも国の重要人物の護衛兼アドハイス役なので報酬が高い。

俺は整理を終えたところで、瑞希に声をかける。



「そうだったのか。まあ、俺とエリスが護衛兼アドバイス役だ。よろしくな。それと久しぶり」


「そうだね、久しぶり。護衛兼アドバイス役よろしくね」


「ああ」


「ところでそっちのエリスさんとはどのようなご関係で?」


瑞希は笑顔で俺に聞いてきているが、どこか笑っていなくて怖い。それにいつもより声が低いような気がする。俺は怖がっていることを悟られないように出来るだけいつも通りの声で答える。



「え、エリスはパーティーメンバーだ。知識

担当だな」


「へー、ふーん、そうなんだー」


瑞希は疑いの視線を俺に向けてくる。全く信じていなさそうだ。



「そうなんだよ。しかも、Sランク冒険者なんだ」


「へー、エリスさんすごいんだね!」


「いや、それほどではありませんけど」


エリスはそう答えた後、俺の方に近づいてくる。



「ところでこの方は?」


俺はなんと説明したものか、と考えていると瑞希が口を開いた。



「私は涼太の幼なじみで、一緒にこの世界に召喚された、新川 瑞希よ。よろしくね」


「一緒に召喚されたということは、リョウタ異世界人だったの!?しかも勇者だったの!?」


「まあ、そうだった気もするな」


「気もするじゃなくて、一緒に召喚されたじゃない。だから涼太も勇者でしょ?」


瑞希がそう言いながら俺の腕を抱きしめてくる。俺は久しぶりの瑞希を堪能しつつ、そうだなと返事をする。

エリスの方を見てみると、ブツブツ独り言を呟いていた。俺は何を言っていたのか聞いてみるとエリスは納得したような顔で返事を返してきた。



「だからそんなに強いんだなー、って言ってただけよ」


次に騎士の方を見てみる。騎士は俺の顔を知っているのか、瑞希と俺がこんなに近づいていても全く気にしていない。しばらくしてから瑞希が俺の腕から離れ、口を開いた。



「私のこと心配だった?」


「いや、全く」


「なんでよ!」


俺は今言った通り瑞希のことを全く心配していなかった。どこかで、好きな人なんじゃないのかよ!とか、好きな人なら心配するのな普通だろ!とか言ってる奴がいそうだが、瑞希は心配するだけ無駄である。


なぜ心配していないかと言うと元の世界での事が関係ある。あまり深く話すと長くなるので、簡単に言おうと思う。瑞希はピンチになることがほとんど無い。だがたまにピンチになることがある。


後から聞いた話なのだが、瑞希は昔刃物を持った殺人犯に襲われそうになったことがあったそうだ。その犯人がもう少しで瑞希にとどきそう、という所でどこからか看板が飛んできて犯人は気絶したそうだ。


他にも何回か似たようなことがあったらしいが、すべて助かっている。それよりも似たようなことが何回か起こっているのがおかしい気がする。


俺がそんなことを考えていると瑞希が俺の腕を抓りながら少し叫び気味に俺に訴えかけてくる。



「なにか反応してよ!」


俺はどう反応したらいいのだろうかと思いてきとうに返事をすることにした。



「心配する必要がないからな」


「なんでよ!」


「瑞希に助けは要らないだろ」


「いるよ!必要だよ!」


瑞希はずっと叫んでいる。俺は面倒くさくなってきたので、心配していた風に返事を返す。



「今までのは嘘だ。俺は瑞希の心配をしてたよ。恥ずかしいんだよ、言うの」


「そ、そっか。ありがとう」


瑞希は顔を俯けながら言ってきた。俺はこんなので良いのか、と思った。1分ほど沈黙が続いた後瑞希が勢いよく顔を上げた。



「取り敢えず、ダンジョンに行こっか」


「そうだな」


こうして俺と瑞希は再会を果たし、ダンジョンに向かうのであった───。

後1日で春休みが終わります。

1ヶ月足りないー、なんてありふれたことは言いません。だけどこれだけ言わせてください。

1ヶ月足りない!


まあ、そんなどうでもいいことは置いておいて、Twitterを何となく始めてみました。

使い方をいまいち分かっていません。


http://twitter.com/okinasaka


これからもお願いします。

誤字や矛盾があれば教えてください。

それと説明がわかりにくいところも教えてください。

よければコメントと評価もお願いします。




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