表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋は親友でした~Side of Sakuya~  作者: みやじい
終章 気づく感情 〜noticed LOVE〜
9/12

Ⅸ 芽生え

ほんと久しぶりです

次で最終回です短いですが…………


あと一話ではございますがお付き合いいただけたら幸いです。

 今日は待ちに待った休日!学校がない!ひゃはっ!


 だからヒロと町に繰り出している。


 いつも休日は……休日『は』というか休日『も』ヒロと過ごす。公園で遊んだり、お互いの家で遊んだり、どっかに出掛けたり。出掛けるときは大抵駅前のショッピングモールに行く。そこで服を買ったり、ご飯一緒に食べたり、ゲーセンで遊んだり。言行が大人っぽいヒロだけど、実は軽めのゲーマーだったりする。


 残念ながら今日のお出掛けは買い物がメイン。というか僕の服を買いに行く。平日は制服でなんとかなるけど、休日まで制服を着ている訳にはいかない。ということでヒロが僕の私服を買いに行こうと言い出した。買い物はつまらなくて嫌いだ。いつも、ヒロが僕の服を選ぶのを待つだけだから退屈だ。僕には服の良し悪しやらセンスやらは分からないからヒロが決める。


 が、今回はヒロに誤算があった。僕、つまりは『乙女』の服選び。ヒロは門外漢だ。


 さっそくJCが行きそうなアパレルショップへ……入ろうとしたらヒロに止められた。


「え? なんで? 行かないの?」


「いや、俺男だし」


「えー、カップルみたいに入ればいいじゃん! 行こっ!」


「か、カップルって」


「良いから! れっつごー!」


 ヒロの腕を引っ張って店内へ連行。ピンク7割の乙女空間。かわいいワンピースとか、アクセサリーとか、バッグとか、とにかくかわいい。男だったときもかわいいものは好きだったけど、今は思考回路も感性も女々しくなってるのか、かわいいものがキラキラと輝いているように見える。


 とりあえず目的の服選び。センスは無いけど、『かわいい!』と思ったものをどんどん試着してみる。着せ替え人形になったみたいで嫌いだった試着も、今はいろんな服を着れて楽しい。まずい。本気で女の子化してる。


 一通り気に入ったのは着終わったから他の服を探そうかと試着室を出ると、いつもの僕みたいに退屈そうなヒロの目と目があった。恥ずかしいからか少し頬が赤くなってるのがかわいい。


 よし、からかってやろう。


「どれにしよっかなー」


 なんて言いながら店内を散策するフリをする。フリ、というのは散策してると装いながらヒロの様子を伺ってるからだ。


 ふむふむ、ヒロがフリフリのレースの服をじっと見てる。そういえばヒロは昔から、フリフリふわふわした服を着てる可愛い子がいたら目で追っかけていた。きっとフリフリ系の服がお好みなのだろう。


「これ可愛いしこれにしようかなー」


 そう言いながらヒロが見ていた服を手に取り試着室に入る。



 かわいいって言ってくれる、かな






 フリフリの服は予想以上に着るのが大変だった。生地が薄いから破ってしまわないか怖かった。


 でもそのかいあってか鏡で見た自分の姿は結構な美少女だった。よし、これならいける。


「ヒロー! どう?この服」


 つまらなそうに店内を見渡していたヒロを呼ぶ。


 振り向いたその顔がちょっと紅くなった。似合ってるかな?


「どうどう? かわいい?」


「…………まあ、かわいいん、じゃね?」


 そっぽを向きながら言ったヒロの一言に胸がキュンとなる。どうしようすっごい嬉しくてドキドキしてやばい。キュン死ぬ。


「ふへ、へへへ! すいませーん! この服着て帰りたいんですけど!」





 店員さんを待つ間もそのあとも、夜寝るまでずっと頬が緩みっぱなしだった。

明日明後日には投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ