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初恋は親友でした~Side of Sakuya~  作者: みやじい
第二章 女の娘の日常 ~girl's everyday~
6/12

Ⅵ ぼくはぼくだから

字と性別が変わっただけ。ただそれだけの物語。

by咲夜

 その日中に退院し、宿泊学習の途中だったけれど、そのままヒロに付き添ってもらって家に帰った。だから皆は僕のことを知らない。


「あれって元橋くんだよね?」

「えっ、なんでセーラー服着てんの? そういう趣味? 気持ち悪いんだけど」


 こういう反応は予想していた。変な目で見られることも。仕方がない。僕だってクラスの男子が急に女装して学校に来たら、大きい声では言わないけど、気持ち悪いなーと思う。だから予想もしていたし、覚悟もしていた。いじめられるかもとも。でもね、でもだよ、


「でもめっちゃ似合ってるよねー」

「言えてる。パッと見女の子にしか見えないよねー。あっ、今流行りの“男の娘”ってやつ?」


 こんな反応はアウト・オブ・眼中だよ!つか誰だよ似合ってるって言ったやつ!しかもちらほら「かわいいー!」って聞こえてくるし。これでもれっきとした男子だぞ!


 あ、そういえば女子だった。


 男の娘ではなくマジもんの女の娘。はぁ~………


 いや、セーラー服着て鏡見たときは『誰だよこの美少女!』って突っ込みたくなったけどもさ、僕なんだよ!


 にしてもこの『僕』ってのも直した方がいいのかなぁ?外見は女子だし。でも僕っ娘とかいるからいっかなー?ヒロはどっちの方がいいのだろう?まあいっか。とりあえずは『ぼく』で通そう。


 でも緊張するな~。皆受け入れてくれなかったらどうしよう?でもいっか。ヒロがいるし。最悪ボッチになってもヒロがいればいいや。そう考えると緊張が溶けていく。自然体になれる。やっぱりヒロはスゴいや。ヒロのことを考えるだけで元気が湧いてくる。これって恋?なわけないか。ぼくとヒロのBLなんて誰得だよ。あ、端から見ればただのNLだった。


 くだらないことを考えていたら教室に着いてしまった。


 とりあえずは自己紹介。堂々といつも通りにしよう。じゃないと緊張で倒れちゃう。


「どもっ! みんなみんな、ぼく女の子になったよ! よろしく!」


 みんな『(゜_゜)キョトン』って感じになってる。うん、まったく説明になってないもんね☆


 そこでヒロの説明が入る。


「みんな、宿泊学習のあれ覚えてるだろ? 詳しいことは分からないけど、恐らくそのせいだ。日本で、いや世界で2例目だってさ」


 やっぱり説明がうまい。要点をきちんととらえて簡潔にまとめられてる。


 でもみんなまだ信じきれていない。それもそっか。信じろと言う方が無理がある。でもヒロが説明してくれてるのに伝わらないのは少し遺憾である。


 と、自分では伝わらないと思ったのかヒロから赤木君にバトンタッチ。


「信じるべきじゃないかな? 僕らに難しい知識があるわけでもないし、疑ったら咲哉くんが辛いじゃん」


 辛い…………の?うーん………どうだろ?でもまあ皆が受け入れてくれないのは辛いかな?ぼくはぼくだから。そしてそれを主張するならぼくが前に出るしかない。


 ぼくが黒板に向かい歩き出すと、それまでのざわめきがパタリと止んだ。そしてチョークの音だけが教室に響く。


 書いたのは新しい名前。ママが戸籍を変えるタイミングでちゃっかり変えた名前。


『元橋 咲夜』


「字と性別が変わっただけっ!」



 言い切って、前を見たら、皆笑顔だった。受け入れてくれたようだ。ぼくは本当にいいクラスに恵まれた。


咲哉の字を変えるのは私からKさんに提案させてもらいました。

咲夜の方が良い!!

っていうね、単純なね、動機でね!


*次回予告*


クラスに馴染めたかのように思えた咲夜

しかし!そんな咲夜に待ち受ける試練!

隣のクラスの女王、玲花に人気投票で勝ったことにより始まったクラス対抗の全面戦争!

その影に潜むのは闇の組織ダークサンライズ!

人質として捕らえられたヒロ!

咲夜はヒロを救い、学校に渦巻く陰謀を止められるのか!?


次回 夜に咲く一輪の華



*もちろん嘘です☆

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