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第3 テンプレなんかクソ食らえ!の心理と偏見によるねじ曲がり

 今流行の「バケモンGoo!」。町を歩くと多くの人がスマホを持ってバケモンを探しています!

「なんだこのゲーム。みんなこんなのに乗せられて、ミーハーどもが。きっとすぐにブームも終わるしこんなのに乗ってるやつはきっとそこまで優れた人間じゃないに違いない!」


 まあこんな例は流石に大げさですが、とにかく「流行が大嫌い!」って人はいっぱいいます。


 ハイ、だいたい想像できたと思いますけど、「テンプレなんかクソ食らえ!」って言う人は、実は単純に「流行が嫌い」なだけの可能性があります。そればかりではないことはあらかじめ書いておきますが。

 先ほどの話では「人は周りの人と同じような事をする」同調について書きました。これはつまり「周りの人と同じでいたい」という欲求が人間にはあるということでもあるのですが。

 早速矛盾しますが、「人は周りの人と違っていたい」と思う生き物でもあります。なんじゃソリャ、矛盾してるじゃねーか、ふざけんな! とか言いたくてもちょっと話を聞いてください。


 そもそも人間は矛盾する生き物なんですよ。だから、心理学の本やサイトを読んでみますと結構真反対の事書いてあるのもあります。

 例えば、おじいちゃんからお小遣いをもらうと、「お金がもらえて嬉しい」という気持ちが生まれますが、同時に「何もしてないのにおじいちゃんからお金もらうなんて……」という罪悪感も生まれます。

 こんな感じで、一個人でも矛盾しちゃうのに、それが「人間全体」となればもう矛盾がパレードしてますよ。あっちもこっちも矛盾だらけ。

 つまり「矛盾した話もある」のが前提なわけですね。そりゃ、矛盾した感情にも程度の差はありますが。


 さて、矛盾に説明をつけたところで。

 人は「周りと自分は違う=自分は特別だ」と思いたい生き物。その気持ちが強い人が、先ほどの「バケモンGoo!」や「なろうの流行りであるテンプレ」に嫌悪感を示します。

 それについて、「だってテンプレってのは物語として低俗な〜」とか理屈つける話はまた別の内容になるので今は話を書きません。とりあえず先へ進みましょう。


 物語に本当の意味での自分の感想を書くには、この「テンプレってのはクソだ」という心理をまず取り除かねばなりません。取り除くというよりかは、うまく順応する、ですがね。


 なぜこんな話になるかというと、単純明解。物語に偏見を持って見てしまうと、楽しめる物も楽しめなくなるのです。

「あ、なんだテンプレか。つまりつまんねーんだな」

 これはかなり早計ですよね。「テンプレ」って部分を見て、「物語の内容」を見てないのに「つまらない」と評価してるのですから。

 これと同じく、「あ、なんだ非テンプレか。ってことはつまんねーんだな」も評価するにおいては危険な思考です。全く同じ理屈で、「つまらない」と評価してしまうのですから。


 だって、皆さんも納得いかないでしょう?

 皆さんの多くはおそらく日本人です。良い人も悪い人もバカも天才もたくさんいらっしゃるでしょう。でも、外国の誰かはこう評価します。

「なんだ日本人か。ってことはクソみたいな脳みそ持ったイエローモンキーだな。ファッキンジャップ」

 僕はこんなこと言う人見たら全力で「その顔面をぶち殺す」しますけどね。右手の顔面殺し(フェイスブレイカー)がうなります。


 つまり、そういうこと。

 テンプレか、非テンプレか。そんなくだらないことで物語の全てを評価するのは、日本人だからクソモンキーで黒人だから下衆野郎って言うのと同じくらい、偏見に塗れているのです。偏見が必ずしも悪いわけではないですがね。


 ある日、こんな感想を見たことがありますね。

「もうあらすじからしてダメ感丸出し。こんなのに評価はくだせない、つまんないね。え? 本編? 見てるわけないじゃん」


 苦笑いしか生まれませんでした。僕の作品に書かれた感想ではないのですがね。

 こんな風になるのが、「偏見に塗れた」例です。こうなるとその感想は「不当だ」ってなるわけですね。だって「作品の内容」じゃなくて「個人の考え方だけ(この「だけ」は肝ですよ)」で評価してるんですから。


 作品を読むと、「常識」とか「個人の考え方」に多少なり評価は左右されます。それもまあ、仕方ないといえば仕方ないのですが。


 でも、「作品のテーマに対して作中ではこう回答されていたが、俺はこう思わない。俺はこのテーマに対して○○という答えを持ってる。だって〜〜で△△だから○○だ。そこまで考えがいかなかったこの作品はつまんない」なんて言われたら釈然としませんよね。それはただあんたの考え方の問題で作品の出来や面白さとは関係ないだろって。

 でもそれがその人にとって「絶対の評価であり、個人の考え方とは無縁の作品への感想」ってなってるんですよね。信じられないだろうけどこういうこと結構あります。


 それを冷静に、「個人の考え方によるものなのか」と分析しなければ、作品への感想は書けないのですよね。


 個人の考え方は偏見を生みますから。偏見を生むと評価がねじ曲がりますから。

 だから、いつだって自分の意見や感情、考え方を鑑みる目が欲しいのです。

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