表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

アンテナが惑星に一つ

作者: 城崎 瑠比

いつものように目が覚めると顔を洗い、歯磨きをして 1 F のリビングに降りる。

今日もありきたりな生活が始まる。

朝食のソーセージ・レタスサンドを作り、自分のコップに昨日と同じくらいのインスタント・コーヒーの粉末を入れた。

お湯をかけるとコーヒーになるあれだ。

リビングに降りた後はすぐにやかんに水を張って火をかけることにしているのだが、ときどき忘れてしまってコーヒーを飲めなくなる時があったりするのだ。

そんな時は牛乳を飲むことにしている。

今朝はそうはならなかったみたいだ。


朝食を済ませた後にやるのが家の外のアンテナを伸ばす仕事だ。

これは本当に大切なことでこれをやらないと誰とも連絡が取れないし仕事もできない。

人類が一人分の惑星に一人で住むようになってからは家の外のアンテナが情報源だ。テレビもラジオもこれを伸ばさなきゃ見れないのだ。

金持ちだったらアンテナは自動式だが、私はそうじゃないので手動だ。

この家はハンドルを回して伸ばしたり畳んだりするタイプなので、比較的楽である。


ここから 34 センテは離れているブラッケの家なんかは巨大なネジの頭をデカいレンチで力いっぱい回さなければ動かないらしい。とても大変そうだ。

エヴィンの家ではボタン式だったのだが、ある時アンテナのボタンをいくら押してもアンテナがうんともすんとも言わなかったという。

間の悪いことにエヴィンは自分のントルボ(携帯用情報端末の一種)を修理に出していたため、外部との連絡手段が完全に無くなってしまった。

エヴィンはその時生きた心地がしなかったそうだ。そりゃあそうだろう。

幸い修理されたントルボが 2 日後に届いたため何とか事なきを得たが、あと 1 ヶ月以上待たなければならかったり、修理済みのはずのントルボが動かなかったりしたらエヴィンはどうなっていただろうか。

想像したくない。


まあ、今となっては緊急通報装置のような第三、第四の連絡手段が出てきつつあるため、エヴィンみたいなことになる人は随分減ったと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ