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第二章2

 長期間悩んだにもかかわらず、律とオーブの気持ちをうまく書くことができませんでした。いつか直したい課題です。間が空きましたが、楽しんでいただけると幸いです。これからもよろしくお願いします。 

 「律、さっきの話だがナ」

 アルクに教えてもらった特徴をもとに、手分けして万能草を探しているとオーブが律に近づいてきて声をかけた。隣にしゃがんで律と同じように草をかき分け探し始める。

 「オマエは殺すのはかわいそうだと思っているのかもしれなイ。弱いものに理不尽な力が加えられることが嫌なのかもしれなイ。そしてそれは悪いことでは無いと思ウ」

 黙々と手を動かしながらオーブは話を続ける。

 「だがナ、猛獣なら殺せて愛らしい見た目ならダメなのカ?その違いはなんダ?」

 唇を強く結んだ律は黙って話を聞いていた。ただの自分の気持ちの問題だと分かっていた。

 「オマエは自分の望みをかなえるために行動すると宣言しただロ。だから考えないといけなイ。自分の望みと嫌なことのどちらがより重いのカ。アルクはオマエの望みを尊重して提案したのだかラ」

 オーブは握りしめすぎて血のにじみ始めた律の手を取ってその指を開かせた。その両手をやさしく包んで、祈るように目を閉じた。

 「俺はオマエが自分の望みに向かって進めるようになることを願っていル。嫌われることを恐れて抑圧されないように祈っていル」

 愛おしそうに律の手のひらをなでて傷口を治すと、目を開けて立ち上がった。。

 「わかってるけど、平気になりたくはないのっ」

 オーブの服の裾をつかみ律は何とか声を出した。

 「そうだナ。うまく折り合いをつけてくレ」

 律の手をゆっくり放し歩き出そうとしたら、アルクが戻ってきた。

 「あんたたち何してんの」

 目を丸くして問いかける。別行動をしていたはずの二人が一緒にいるし、律は涙をにじませているから無理もない。

 「律が手を切ったから治していたんダ」

 平然とそう言うと、アルクに近寄りこの後はどうするのかと尋ねた。彼女の袋はいっぱいで、入りきらなかった物が鞄からもはみだしている。今日はもう帰って明日売りに行こうというアルクに二人は賛成した。

 行きましょう、とアルクがまだ座ったままの律に手を差し伸べた。差し出された手を律がおずおずとつなぐ。宿に帰る道々、律はアルクに気を遣わせてしまったことを謝った。アルクは歯を見せて笑うと、律の頭を髪が乱れるのも構わずに思い切り撫でた。


 律とオーブはほとんど取れなかったにもかかわらず、アルクが採ってきた他のものを合わせるとなかなかのお金を手に入れることができた。どのくらいかというと、三人が二食つきの宿に一か月泊まれる程度である。

 「思ったより珍しいものがある森だったわね。この調子で稼ぎつつ目的地を目指せばいいと思うわ。ここからは最短距離を行くつもりなの?」

 今日も山に行って草花や鉱物をとり、換金してきたところだ。途中襲ってきたイノシシの様な動物の肉が入って豪華になった夕食を食べながら、これからの予定を立てる。

 「そのつもりです。地図によればここからカロンという港を使えば、陸路より早く魔王城のある大陸に着けそうですがどうでしょう」

 「そうね、危ない海域だといううわさもないし大幅に短縮できるでしょう。問題は……」

 説明書に書かれた地図を見て、現在地、港、魔王城の位置関係を確認する。そして二つの港を指で押さえた。

 「カロンからの行先は二つ、このジョウテンとチカよ。ジョウテンの方が近いんだけど、こっちへは三か月に一回しか船を出してないと聞いたわ。だからチカの方に行くとして、そうなると最短距離を行くには世界の銀行こと金融国家スイロンを通る必要があるのよ……」

 語尾をぼかしながら、地図から手を放して腕を組む。

 「何か問題があるのカ」

 「貧乏人は通してくれないの。金持ち国家だから」

 地図によればスイロンの周りは高い山ばかりのようで、標高が低めのスイロンを避けた移動は困難そうだ。かといって海岸線側から行くとかなりの遠回りになる。

 「スイロンを通るにしても、港でジョウテン行の船を待つにしても、もっとお金を稼ぐ必要がありますね」

 「そうね、明日からもがんばりましょ。ここで稼げば後が楽よ」

 三人はお金の問題がまだまだ解決しない、ということを確認してしばらくはこの宿を拠点に活動しようと決めた。



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