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試合と波乱

 翌日から野球部はよりいっそう練習に励むようになったらしい。海が登校すると、汗を拭ったあとのサトがすでに教室に来ていた。部を牽引するリーダーとして、チームの一員として、彼はさらなる努力を重ねていた。

「ほぼ新設といっていい部が名門に勝ったら、やっぱりすごいじゃん」

 希望に満ちた目をして、サトが言う。海も「そうだな」と返して、そういえば練習試合の相手を聞いていなかったなと思った。

「ところで、今度の試合の相手ってどこ?」

「中央中だよ。町では超名門だろ?」

 なるほど、と海は納得する。中央中学校は、礼陣で最も運動部が強いといわれている学校だ。野球部以外にも様々な部活動が県大会、さらには全国大会で活躍している。そんな強敵が再生したばかりの野球部との試合を受けてくれたのだ、サトが燃えるのも当然のことだろう。

「オレたちも、相手も、やって良かったと思える試合ができたらいいな。そのためには、こっちが真剣にやらないと」

 普段は噂好きで軽そうなサトが、好きな野球のこととなると熱意と誠実さに溢れた男になる。そういうときのサトが、海は好きだ。彼の友人で良かったと心から思える。だから、こんな言葉も出てくるのだ。

「応援、行くよ。鬼たちと一緒に」

「おう! 進道だけじゃなく鬼までいてくれるなら、心強いな!」

 海は信頼できる人間以外には、鬼のことはめったに話さない。鬼の子であることは周知の事実だが、わざわざ自分から語る必要はないと思っている。鬼の存在が当たり前のものであるこの地でも、やはり鬼の子というのは特殊な存在だということを自覚しているからこそだ。今のところ、海が鬼のことを気軽に話せる普通の人間は、家族以外では和人とサトくらいだった。

 さらにいうと、サトは礼陣の鬼たちに好かれている。その明るさと一生懸命なところは、鬼たちの好みとする人間像だった。そばにいて元気になれる人間は、やはり鬼にも人間にも評判がいいのだ。

 サトが「練習もときどき見に来いよ」と言うので、放課後、海は少しだけグラウンド覗いてみた。こちらも剣道の稽古があるので長くは見ていられないが、サトの姿を見つけることくらいはすぐにできる。同級生の投げる球を受けて、元気に声をあげるサトは、遠くから眺めているだけでも気持ちがよかった。

 練習を少しだけ見て、そろそろ帰らなくてはと思ったとき、海はベンチにいる鬼の姿に気がついた。野球部の練習をじっと見つめる、人間の女性によく似た姿をした鬼だ。セミロングの黒髪の隙間からは二本のつのが生え、浴衣のような白い服を着ている。昨日のサトの願いを聞いて、もう応援に来たのだろうか。そう思って、それ以上は気に留めなかった。


 剣道の稽古が終わってから、海はいつものように和人と話していた。話題はサトと野球部のことだ。というのも、和人はサトたちの対戦相手である中央中学校の生徒なのだ。

「そっか。遠川中の子たち、そんなに頑張ってるんだ。これはうちも負けてられないよって、野球部の部長に言っておくよ」

「本気でやるようにって伝えてくださいね。そうじゃないと、サトたちの努力が報われませんから」

 もちろんだよ、と和人が言う。野球を剣道に置き換えれば、海や和人もサトたちと同じだ。本気でぶつかるからには、本気で受け止めてほしい。相手をなめてかかるような、ふざけた試合はしてほしくない。まさに真剣にやるべきだ。

「試合は日曜日か。だったら僕らも見に行けるね。僕はやっぱり中央中を応援することになるけれど」

「それじゃ、ライバルですね。俺は全力で遠川中を応援します!」

 普段は「学校生活が面白くない」などと思っている海だが、本気で頑張っている人に対しては別だ。この勝負ばかりは、尊敬する和人が通う学校であっても譲りたくない。決戦の日曜日は、刻一刻と迫っていた。


 気温が上がり、少し汗ばむくらいになった初夏の日。遠川中学校のそれよりも整備された中央中学校のグラウンドで、野球部の練習試合が始まろうとしていた。人間のギャラリーは部員の保護者や友人たちとあまり多くはなかったが、鬼たちはまるで大リーグの試合でも見るかのように集まり、盛り上がっていた。その光景は普通の人間には見ることができないが、鬼の子にしてみれば圧巻だった。

「すっげえ数。鬼ってこういうの好きだよな」

「そうですね。俺が小学生の頃、合唱コンクールにも鬼がわんさか来てましたよ」

 海は大助と亜子を誘って、サトたち遠川中学校野球部の晴れ舞台を見に来ていた。早めに見やすい場所を取ったのだが、すぐに鬼たちでぎゅうぎゅうになってしまって、グラウンドの様子はその鬼たちを透かしてみるはめになってしまった。三人の中で視界がクリアなのは、鬼の子ではない亜子だけだ。

「いつも鬼見てみたいなーって思ってたけど、今日は見えたら大変そうだね。しかたないから、わたしがサト君たちの情報を教えてあげよう」

「教えてあげようって……亜子、お前野球のルールわかってんのか?」

「実はよくわかってないけど、サト君が打てばいいんだよね?」

「亜子さん、守りも大事ですよ。ちなみにサトのポジションは……」

 言いかけて、海はグラウンドの隅を見た。他の鬼から離れて、一人ぽつんと佇む鬼の姿があった。人間の女性に似た姿をした、セミロングの黒髪と白い衣服が印象的な鬼だ。実はあれから、海はたびたびサトたちの練習を見に行っていたのだが、そこにはいつも彼女がいた。よほど遠川中野球部が気になっているのだと思ってはいたが、試合も近い距離で見ようとするとは。野球部の中に鬼の子がいたら、気が散ってしようがないだろう。

「大助さん、あの鬼です。いつも野球部の練習を見に来ていた鬼ですよ」

「へえ、あれが。たしかに女だな。なかなかスタイルのいい……」

 身を乗り出した大助の背中を、亜子がばしんと叩く。「昨日痛めたばっかりなんだぞ」とうめく大助を無視して、彼女はぽつりと呟いた。

「女の子の鬼なら、野球部に好きな子でもいるのかな」

 海はまさかと思い、だとしたら気持ちが悪いなとも思った。相変わらず女子が苦手な海にとっては、恋は下心であり、このような場には相応しくないと考えてしまうのだった。けれどもあれは鬼だ。女の姿をしていても、れっきとした礼陣の鬼なのだ。サトの願いを聞いて、純粋に応援したくて来ているのだと思いたかった。

 そのまま、試合が始まった。遠川中学校が先攻らしく、最初の一人がバッターボックスに立った。見に来ていた保護者や生徒たちが応援を始め、海たちもそれに参加する。けれども、鬼たちのほうが大いに盛り上がっており、海の頭の中にはその声がぐわんぐわんと響いていた。大助も同じようで、苦笑しながら頭を押さえていた。

 応援は激しかったが、遠川中学校チームは苦戦していた。一回表は連続三振に終わり、守備にまわれば打たれてしまう。頑張っていることは誰の目にも明らかなのだが、どうにも結果に出てこない。部員は全員少年野球の経験者だが、サトに声をかけられるまでのブランクがある。加えて、中央中学校側の強さが半端なものではなかった。全力を出してくれることは嬉しいが、こちらの腕が追いつかない。一部の観客の中には、諦めさえ見え始めた。

 点差はどんどん開いていく。それでも最終回までやりとおしたくて、遠川中ナインは必死で食らいついた。彼らには諦めるつもりなどなかった。たとえ負けても、なんてことすら考えていない。ここからどうやって追いつき、逆転するかということだけが頭にあった。そのことは、彼らを最後まで応援すると決めた者たちには、しっかり伝わっていた。

「あ、サト君だ!」

 亜子が声をあげる。バッターボックスには、誰よりもこの試合で勝つことを望んでいた彼の姿がある。バットを握りしめ、相手ピッチャーをしっかりと見ている。海は、遠川中学校チームを応援する人々は、固唾をのんで見守った。

 ピッチャーが振りかぶり、その手からボールが離れる。それは真っ直ぐに、キャッチャーミットを目がけて飛んでいった。だが、ボールが目標に収まることはなかった。サトがその道を確実に捉え、手にしたバットで流れを変えた。打たれたボールは遠くへ飛び、誰にも取られることなく、グラウンドの外へ着地した。

 とたんに選手たちが、観客が沸きあがる。中央中を応援していたはずの人々までが、大きく歓声をあげた。サトの見事なホームランを、認めない者などここにはいなかった。

「すごい! すごいよサト君!」

「いいぞ、サト!」

 叫ぶように喜ぶ亜子と大助、それから鬼たち。ベースを踏み、両手を挙げて仲間たちのところへ戻るサト。この光景を、海は見たかった。たった一点、されど一点。サトの努力が実を結んだ一打だった。

 しばらくその場は沸いていた。拍手と笑顔、感嘆に満ちていた。それが遠川中学校チームの士気に繋がるものだと、誰もが疑わなかった。

 けれども、それが段々と別のざわめきに変わる。初めに不穏などよめきが起こったのは、中央中学校チームだった。それから、遠川中学校チームも動きを止めた。それが彼らを応援する人々に伝播し、ここまで届く。不安げな人間たちと鬼たちの顔を、海と大助は交互に見た。何かがおかしい。何が起こっているのか。大助が、近くにいた鬼にこそりと尋ねた。

「おい、どうなってるんだ? 何があった?」

 鬼は困惑した表情を向け、言いにくそうに答えた。彼にはグラウンドの様子がよくわかっていたようだ。

『中央中の選手が、肩を痛めたらしい。一人だけじゃない、全員が体に違和感があると訴えだしている』

「は? それってどういうことだよ……」

 もう歓声はない。あるのは、心配そうなざわめきばかり。誰もが状況を理解できていないまま、両校の監督が話し合いを始めた。そして、結論が告げられる。

「申し訳ございません。選手が体調不良のため、試合を中止いたします! ただいま救急車両が参りますので、どうか道をあけてくださいますよう、また生徒の救護にご協力をお願いいたします!」

 突然訪れたただならぬ事態に、場内が不安に包まれていく。聞こえてくる「道をあけてください」という声、運ばれていく生徒、サイレンの音。青い顔をした人間たちと、心の沈んだ鬼たち。まるで全てが悪夢のようだと、それなら早く覚めてほしいと、海は思った。けれどもそれは現実で、決して揺らぐことはなかった。

「サト、大丈夫か?」

 帰り支度をする遠川中学校チームに、海は駆け寄っていった。全員が落胆の表情を浮かべている。特にサトは、これまで見たこともないくらいにがっかりした顔をしていた。しかし海に気づくと、力なく笑って片手を挙げた。

「進道、来てくれたんだな。ごめんな、ちゃんと最後まで見せてやれなくて……」

「謝るなよ。サトのホームラン、ちゃんと見てた。大助さんと亜子さんも、サトたちのこと褒めてたよ」

「そっか。それは嬉しいな」

 嬉しい、なんて言葉を口にしていても、サトは喜んでなんかいなかった。それよりも、急に不調を訴えだした相手のことが心配でたまらないのだ。試合が続けられなくなるほどの事態に、胸を痛めているのだ。それなのに、海にはそれを見せまいと笑顔を作っている。痛々しくて、見ていられるものではない。

「中央中の人たちは、きっと大丈夫だよ。だから落ちこむな、サト」

「うん。ありがとう、進道」

 このあとミーティングだから、とサトは仲間たちと一緒に行ってしまった。弱々しいその背中を、ホームに戻ってきたときとは真逆の姿を、海は見送った。

 それから大助たちのところへ戻ると、二人は深刻そうな顔をして待っていた。特に大助の様子は、ただ心配していたというだけではなさそうだ。

「何かわかったんですか?」

 海が尋ねると、大助は言いよどんで、けれども意を決したのか率直に伝えてくれた。

「これは偶然じゃねえ。鬼の力が働いてる」

 全身の熱がひいていくような心地がした。鬼に願いをかけるまでにサトが楽しみにしていた試合を、壊してしまったのが鬼だとは。信じられないし、信じたくない。

「それって、呪い……」

「亜子がいるからこの話は後だ。俺の家に行くぞ」

 ぱらぱらと、人間も鬼も帰っていく。その波にまぎれるように、海たちも中央中学校のグラウンドをあとにした。歩いているあいだ、三人ともひとことも喋らなかった。そうして遠川地区洋通りにたどりつき、亜子と別れ、海と大助は一力家に入った。二人を迎えたのは、大助によく似た、背の高い男性だった。

「大助、おかえり。もう試合は終わったのか? その子は友達かい?」

「兄ちゃん、悪いけどあとでな。姉ちゃんいる?」

 どうやら兄らしい人物に、大助は眉根を寄せたまま尋ねた。それで何かあったのだろうと察した彼は、すぐに「部屋にいるよ」と教えてくれた。答えを聞くと、大助は「ありがとう」と返して、二階へあがる。海も大助の兄に頭を下げてから、急いでその後ろについていった。

 二階の一室の前で大助は立ち止まり、ドアをノックした。返事はすぐにあった。

「はーい。……あら、大助おかえり。海君も一緒なのね」

 海が久しぶりに見る愛は、相変わらず穏やかな笑顔をしていた。あまり顔を合わせたくはなかったが、今はそんなことを言っている場合ではない。

「姉ちゃん、野球の試合は中止になった。相手が全員体調不良を起こしたらしい。鬼が何かした可能性が高い」

「それって、呪い鬼が出たってこと?」

 大助から事情を聞き、愛の表情が一変する。しかし海を見て、話を続けることを躊躇ったようだった。だが、大助はかまわずその先を言った。

「呪い鬼の気配はなかった。だよな、海」

 そういえばそうだ、と海は思う。自分も大助もずっとあの場にいたが、呪い鬼が発するはずの禍々しい気配はまったく感じなかった。それなのに、なぜ大助はあれが鬼の仕業だとわかったのだろう。その疑問はすぐに汲み取られた。

「呪い鬼にはなっていない。でも、鬼が力を使ったのはたしかだ。周りの鬼たちから、それを感じ取っていたということを聞いた」

「その、力を使っていた鬼って誰なんですか?」

「特定はできねえって言ってた。誰かが何かをした、程度にしか認識できなかったんだ。なにしろ、あの大ホームランの後だからな。人間も鬼もそっちに集中してて、詳しいことはわからなかったんだよ」

 海は奥歯を噛み締め、うつむいた。大助の言うことが本当なら、鬼の誰かがサトの願いを、サトの活躍を隠れ蓑にして打ち砕いたということになる。そんなひどいことが、あってたまるか。サトがあの試合のために、どれだけ努力を重ねてきたと思っている。試合を台無しにした鬼は、到底許されない。

「そういうわけだ。姉ちゃん、ただの鬼が人間に危害を加える可能性は?」

 愛は手を口元にあてて少し考え、それから言いにくそうに返答した。

「ただの人間が無意識に他人を傷つけてしまうことがあるのと同じ。鬼にだって、そういうことがないとはかぎらない。力を使った鬼の目的が別にあって、その手段として人間に影響を与えるようなことをしたと考えるなら、ありうるかもしれないわ」

「そんな……何が目的か知らないけど、そんなことでサトは……」

 海は強くこぶしを握る。理由がなんであれ、サトにあんな表情をさせるような鬼がいることを許せない。その鬼を見つけたら、ただじゃすませない。鬼を見ることのできないサトの代わりに、この手で始末をつけてやりたい。

 そんな思いを見透かしたように、大助が海の後ろ頭を掴んだ。

「お前一人が怒っててもしかたがねえよ。俺だって、サトの頑張りは認めてんだ。試合を潰しちまった鬼を見つけて、理由をきっちり説明してもらった上で、神主さんに説教してもらう」

「それで許すんですか? 俺はそんなの嫌ですよ」

「だからお前一人で怒ってもしかたねえって言ってんだろ。鬼には鬼のけじめのつけかたがある。俺たちの役目は、それを手伝うことだ」

 海から手を離さずに、大助は愛に向き直った。そして、戸惑いの表情を浮かべる彼女に言った。

「姉ちゃん。相手が呪い鬼じゃないんだから、海が関わっても問題はねえよな。俺たち二人で、力を使った鬼を捜す。そう神主さんに伝えてくれ」

 愛は口元に手をあてたまま、しばらく黙っていた。大助を、そして海をじっと見つめ、言葉を探しているようだった。やがて彼女は、両手を腰にあてて、言い放った。

「だめよ」

 海は「やっぱりか」と思う。一度鬼追いをやめさせられたのだ、愛がその答えを出すことは予想できていた。大助が悔しそうな表情をしてくれるだけで十分だ。

 しかし、愛はそれ以上の言葉を用意していた。

「二人だけなんてだめ。礼陣を守る鬼が礼陣の子供を傷つけるなんて、あってはいけないことだもの。私と神主さんも、この件については調べるわ。でも現場にいたのはあなたたちだけだから、メインの捜査は任せるわね。大助、海君!」

 明るく頼もしい笑顔で、愛は二人に言った。大助の表情がぱっと輝き、海の頭を掴んでいたその手でぐしゃぐしゃとなでた。

「よし、決まりだ! やるぞ、海!」

「は、はい! でも、ちょっとやめてください。髪の毛引っ張られて痛いです!」

 髪の毛をかきまぜられるのはあまり好ましくないけれど、海は胸が温かかった。大助が、海がこの件に関わることができるようにしてくれたこと。愛がそれを許してくれたこと。自分の手でサトを救えるかもしれないこと。その全てが嬉しかった。

 帰り際、海は何度も大助に「ありがとうございます」と言った。大助はただ「一緒に頑張ろうな」と返した。

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