なんと不運な。~気楽に生きたい尊き我ら~
教室の椅子に座り、窓の外をぼんやり眺めていた。雨がしとしと降っている。
「え、雨!?今日俺傘持ってきてないんだけどー!」
振り返ると、好きな男の子――カイトくんが、無邪気に困った顔をして立っている。心臓がビビッと跳ねた。
(ん?傘を持っていない?聞き逃さなかったぞ、カイトくん。なんと私は……折り畳み傘を持ってきている!これを貸せば、相合傘とまでは行かなくとも、少しは好感度が上がるはず!)
しかし、帰りの時間、空は意地悪に晴れていた。
「ふえ~、雨やんじゃった~…まあ仕方ない、バスに乗って帰ろう…」
そのとき、バス停に着くや否や――
「ザアアアアアアア!!!!!」
全身ずぶ濡れになり、靴もぐしょぐしょ。
やっとの思いで家に帰り、鏡に映る自分を見て、小さくつぶやいた。
「なんと不運な。」
お気に入りのスニーカーを履いた日、教室で靴下を脱いだら片方に穴が開いていた。
バスが遅れて教室に駆け込んだ瞬間、靴がスリップして床にドサッ。
帰りの電車で座れたと思ったら、前の人のバッグが肩に直撃。
テストの最後の問題だけ書き忘れ、提出時間ギリギリ。
歩きながらスマホを操作していたら段差に気づかず落下。画面にヒビ。
夏の放課後、アイスを買ったけど帰り道で溶け、手から落下。
イヤホンを取り出したら完全に絡まってほどけない。
いいことなんぞあんまり起きない、悪いことの方が多いこの世の中。
もう何もしたくない日もあるけれど、思わず笑ってしまう自分もいる。
そんな我らって、尊き生き物だなあ。
「なんと不運な。」
”なんと不運な精神”で、人間のみなさま、気楽に生きましょー。
いいことが少なく、”なんと不運な”となってしまうことが多い日常。
でも、そんな不運をなんか面白く、気楽にとらえられたらいいなと思います!
じゃあ皆様、(尊き我ら)気楽にできることが難しい世の中、”なんと不運な精神”で、気楽に生きていきましょー!




