表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/131

第81話 制御片の解析と“目覚める遺産”

 昼下がり、森の家には静かな魔力の音が満ちていた。

 

 机の上には分解された黒鉄板と、淡く光を放つ水晶片。カイルの新たな研究対象だ。


「この制御片……魔力を流すと、構造を変える反応があるんだ。」


 カイルは慎重に魔力を注ぐ。すると、水晶片の内部に幾何学的な紋様が浮かび上がり、薄い音を立てて震え始めた。


「おお……やっぱり反応した。」


『安定率七十八パーセント。制御可能。』


 父のゴーレムが冷静に分析結果を示す。

 しかし、キキはその光を見て眉をひそめた。


「ねぇ、カイル。なんか……嫌な音しない? “キィィィィ”って。」


「ん? 気のせいじゃ?」


 その瞬間、水晶片が強く輝き、部屋全体に光の波が走った。


「うわっ、まぶっ!」


 カイルとキキが目を覆うと、机の上の水晶片が宙に浮き、ゆっくりと回転を始めた。

 

 まるで何かを“探している”ように、音を立てて振動している。


 父親のディスプレイが光る。


『異常反応。座標探索を開始』


「座標? 何を探してるんだ!?」


 カイルが慌てて制御を止めようとするが、魔力回路は逆流。

 部屋のランプが一斉に明滅し、壁の魔導線が青白く光を帯びた。


「わわっ、これまずくない!? 止められるの!?」


「た、たぶんっ!! うおおおおおっ!!」


 カイルが机を叩くようにして魔力を遮断する。

 

 水晶片が大きく跳ね、床に“コン”と落ちた。

 光が消え、部屋にようやく静けさが戻る。


「……あっぶな……。もう少しで爆発だったな。」


 カイルが額の汗を拭うと、父のゴーレムがそっと手を伸ばし、水晶片を拾い上げる。

 その胸のディスプレイが淡く光った。


『通信装置の一部。古代制御網に接続を試みた形跡あり。』


「つまり……古代遺跡の“中枢”が、まだどこかで動いてるってことか。」


 カイルの声に、キキは目を見開いた。


「え、それってヤバくない? だって、遺跡の中枢って……要するに“頭脳”でしょ?」


「ああ。もしあの遺跡がまだ機能してるなら……俺たちが触れたのは、ただの入り口だったってことだ。」


 カイルは無意識に拳を握る。

 父のディスプレイがゆっくりと文字を描いた。


『我、再探索推奨。』


「……うん。でも今度は準備してから行こう。あの制御片、使えるかもしれない。」


 机の上に戻された水晶片は、まるで眠るように静かに光を瞬かせていた。

 それは、新たな冒険の合図のように。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ