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第76話 遊び疲れた冒険者
父の豪快すぎる水泳ショーに付き合い、カイルもキキもすっかり体力を消耗していた。
「はぁ……もう限界だな……」
カイルは砂浜に腰を下ろし、広大な海を見つめる。
透き通る水面に反射する太陽の光、波打つ音、潮の香り。
どれも美しく、心を癒す景色だったが、体力は限界に近かった。
キキも杖を肩に担ぎ、ため息をつく。
「……カイル、もういいわ。これ以上は無理」
「うん、同意だな」
父の骸骨ゴーレムも水面から上がり、胸部の光を少し落ち着ける。
『……満足……』
初めて柔らかい文字が浮かんだ。
「じゃあ、砂漠の宝物庫まで戻ろうか」
カイルがそう言うと、キキはうなずき、護衛ゴーレムたちも整列する。
光るゴーレム、放水型ゴーレムたちを再び配置し、砂浜を後にするカイルたち。
砂の上に残った足跡は、ゆっくりと波に消されていく。
「……海、また来たいな」
カイルは心の中でつぶやきながら、広大な水平線を見渡した。
父は相変わらず胸部の光で『又、コレル』と表示し、キキは肩をすくめつつも、わずかに微笑む。
こうして、第五層の海辺探索は一旦の区切りを迎え、冒険者たちは再び砂漠の宝物庫へと帰路についた。




