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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第72話 巨像vs巨兵

ドォォォン!


 巨大な守護ゴーレムの拳が振り下ろされ、床の石盤が粉々に砕け散った。

 爆風が吹き荒れる中、カイルは操縦席で歯を食いしばり、巨兵ゴーレムの腕を動かしてその一撃を受け止める。


「うっ……! 出力、オーバーしてる!」


「バカ! あんなのまともに受けたら潰れるわよ!」


 キキが悲鳴混じりに叫びながら防御魔法を展開する。

 だが衝撃波だけで身体が弾き飛ばされ、背中が壁に叩きつけられた。


 父の鎧型ゴーレムは、盾を構えた護衛ゴーレムたちに命令を下す。

 胸部に浮かび上がるのは、『防御・前進』の文字。

 

 それを見て、カイルは奥歯を噛み締めた。


「父さん……無茶するなよ……!」


 守護ゴーレムが咆哮にも似た低音を発すると、両腕の砲塔が起動。

 真紅の光線が放たれ、空気を焦がした。


 直撃を受けた護衛ゴーレムが、一瞬で蒸発する。

 金属片が宙を舞い、床に雨のように降り注いだ。


「熱線兵装まで持ってるのかよッ!!」


 カイルは巨兵の腕部ユニットを展開し、自作の放水装置を最大出力に設定する。


「放水圧縮。水流、全開だッ!!」


 高圧の水流が噴き出し、赤い光線にぶつかる。

 瞬間、白い蒸気が立ちこめ、爆雲のように視界を覆った。


 視界が真っ白になったその刹那――巨兵が滑るように前進する。


「今だッ!!」


 金属の拳と拳がぶつかり合う。

 轟音がホールを震わせ、床石が砕ける。

 両者の腕が軋み、火花が散った。


 守護ゴーレムの胸部に埋め込まれた魔石が、激しく点滅を始める。

 カイルの視界にも、警告色の数値が赤く瞬いた。


「父さん、右から回り込め!」


『了解』


 父の鎧型ゴーレムが指揮するゴーレム隊が背後に展開。

 放水型ゴーレムが再び水流を放ち、守護ゴーレムの動きを封じる。


 その一瞬。

 カイルは巨兵の両腕を交差させ、胸部の魔石エネルギーを全開放した。


「貫けぇぇぇっ!!!」


 蒼白い光線が一直線に走り、守護ゴーレムの胸を貫く。

 次の瞬間、内部の魔石が破裂。

 爆発音が響き、巨体が崩れ落ちた。


 ……沈黙。


 蒸気の中からキキの声が聞こえる。


「信じられない……あんなの、ほんとに倒すなんて……」


 カイルは息を切らせながらモニターを見つめた。

 巨兵のステータス画面は真っ赤に染まっている。


「……出力限界突破、右腕部損傷率八十七パーセント……」


 画面の中で巨兵が膝をつき、金属の腕が砕け散る。

 煙が立ち上り、戦場に焦げた鉄の匂いが広がった。


 父が近づき、胸に『勝利確認』の文字を表示する。


 カイルは力なく笑い、呟いた。


「ボロボロだけど……勝ちは勝ち、だな」


 キキは深くため息をつきながらも、どこか安堵した表情を浮かべる。


「まったく……あんたの無茶っぷり、いくつ命があってもたりないわ」


 カイルは守護ゴーレムの残骸を見つめ、胸の奥で熱いものが込み上げてくる。


「……あいつの構造、解析できれば……俺たちは、もっと先に行ける……」


 その言葉と同時に、遺跡の奥で重々しい金属音が響く。

 金属の扉が、ゆっくりと静かに開き始めた。


 そこには、宝物庫のまばゆい輝きが、微かに見えていた。




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