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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第71話 砂の守護者

 遺跡の中は、外の砂漠とはまるで別世界だった。

 

 壁は青白く光る鉱石で覆われ、冷たい空気が肌を撫でる。

 カイルは光を放つゴーレムを先行させ、慎重に足を進めた。


「……空気が動いてる。どこかに通気孔があるな」


「これ、完全に“生きてる遺跡”よ。魔力循環がまだ動いてる……」


 キキの声はわずかに震えていた。

 耳がぴくりと動く。嫌な予感。


 その直後。


 足元で「カチリ」と小さな音が響いた。


 瞬間、通路の両側から鋭い光線が走る。

 青白い閃光が空気を裂き、壁を焼き切るように横薙ぎに走った。


「罠だっ!」


 護衛ゴーレムが即座に身を挺し、光線を受け止める。

 金属が焼け焦げ、黒煙が上がった。


「レーザー!? 古代の魔導技術、やば……!」


 カイルは前世の記憶から即座に制御魔石を操作し、前方へ放水ゴーレムを展開する。

 放たれた水霧が通路を満たし、光線の軌道が白く浮かび上がった。


「よし、上手くいった! 道筋が確認できた。あそこを抜ける!」


 キキは息を呑みながらも頷き、カイルの背中を追う。

 骸骨の父は後方で盾のように構え、残る光線の残滓を受け止めた。


 罠の廊下を抜けると、そこには巨大な石扉が待ち構えていた。

 扉の中央には青く輝く魔石が埋め込まれている。

 

 キキがその表面に手を当てると、微かな振動が掌に伝わった。


「魔力認証……たぶん起動キーだわ」


 カイルは興奮しながら起動キーに手を伸ばす。

 キキが眉をひそめて問う。


「……押す気なの?」


 カイルは笑顔で答えた。


「もちろん」


 石扉が重々しく開いていく。

 

 奥に現れたのは、天井の高い巨大なホール。

 壁一面にびっしりと古代文字が刻まれ、中央には金色の柱が光を放っていた。

 

 その足元に。それは、いた。


「……ゴーレム?」


 それは、これまで見たどんなゴーレムよりも巨大だった。

 高さ十メートルを優に超え、両腕には砲塔のような器具が取り付けられている。

 

 胸部には脈打つように輝く巨大な赤い魔石。

 まるで心臓のように光が鼓動していた。


 キキが低く呟く。


「これは……“遺跡守護者”。宝物庫の番人。魔法文明期の最上位戦闘兵器よ……」


 カイルの胸が高鳴る。

 その瞳に宿るのは、恐怖ではなく。興奮だった。


「つまり、テストには最高の相手ってわけだな」


 骸骨の父が胸の板に淡い光の文字を浮かべる。


『戦闘準備完了』


 護衛ゴーレムたちが一斉に構え、周囲の砂埃が揺らめいた。

 キキはため息をつきながら杖を構える。


「あなたたち親子って……本当に戦い好きよね」


 その瞬間、遺跡全体が震えた。

 赤い魔石が閃光を放ち、轟音と共に空気が震える。


 古代の守護者が、目を覚ました。




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