第53話 第三階層への扉
狭い通路を抜けると、突然視界が開けた。
目の前には広大な空間、大広間のような場所が広がっている。
「うわ……で、でかい……!」
俺の声が響き渡る。天井は高く、壁には古代の紋様がびっしりと刻まれていた。
青白い光を放つ鉱石が散りばめられ、まるで星空を閉じ込めたかのようだ。
「第三階層ね……」
キキは口を結び、慎重に周囲を見渡す。
「魔力濃度がさらに高い。この空間、簡単に魔物が湧きそうよ」
父の文字ディスプレイが光る。
『警戒、魔物潜伏』
俺は心の奥でワクワク感が膨らむ。
前世では決して体験できなかった、未知の巨大空間、冒険者としての血が騒ぐ。
光るゴーレムを先行させ、大広間の隅々まで照らす。
その光が紋様に反射し、壁に描かれた古代文字や図形が浮かび上がった。
「これ……何かの仕掛けかもしれない」
キキが眉をひそめる。
「警戒して進もう。足元にも注意して」
俺は2体目の人型鎧ゴーレムに乗ったまま、慎重に前進する。
広間の中央には、巨大な石の台座が一つ。
その上には、青白く光る大きな魔石。
明らかに、この階層の鍵となるアイテムのようだ。
「……すげえ、あれが目当てか?」
「気を抜くな。きっと守護者がいるはずよ」
キキの言葉に背筋がピリッとする。
大広間の空気は、静寂の中にも危険を孕んでいる。
俺たちは深呼吸し、第三階層への一歩を踏み出した。




